あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

生命力

2013-07-18 | 本(文庫本)
荻原浩さんの『ひまわり事件』を読みました。

今夏はいきなり暑くなって、しかもあまりにも暑いので、髪をスッキリ切っちゃいました。もともとミディアムな長さだったのを、ショートイメージに。シャンプー、さらに楽チン!
髪を切ってもらっているときに美容師さんと話していると、やはり暑さのために髪を思いきってカットする人が多いらしのです。男性客のバリカン使用率もかなり高いのだとか。私もできることなら高校球児みたいにしたいんだけどなぁ~。
とうくらい、とにかく暑い夏。そして「ひまわり」が似合う夏になりました。(←強引に本題へ)

隣り合わせに建つ有料老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」。理事長の思いつきで相互交流を始める。当初は老人と園児の間にギクシャクしたものがあったが次第に打ち解けていく。妻を亡くして入居している誠次と、父親を亡くして間もない5歳の晴也の間には、ヒマワリを育てることで70歳の年齢差を越えた「友情」のようなものも芽生える。そして苑と園でそれぞれに運営を巡っての問題が起き、老人たちと子どもたちは事件に巻き込まれていく。

今作も荻原節炸裂で、言葉のひとつひとつが楽しくて仕方ありませんでした。ちょっとボケが入ってきた老人と、まだ言葉を正確に理解できない5歳児なので、会話が完全に成立しないところが実にユーモラスに描かれています。それが本当に面白いので「別に事件なんて起きなくていいじゃん」と思ってしまうくらいでした。
でも事件は起きるのです。ある老人の怒りのマグマは溜まりに溜まった後、長編の最後で爆発します。そして子どもたちの不満も爆発! 事件は成立します。
物語の中でのヒマワリは、印象的に、象徴的に描かれます。愛の象徴であったり、生命力の塊のような子どもたちを表していたり……。そして物語の続きとして、3万本のヒマワリが咲いている風景を想像させてくれます。その風景は優しさと幸せの象徴。
「あ~、面白かった」と、私も幸せな気分にしてもらいました。
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