あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

期待以上

2009-11-16 | 本(文庫本)
岩井志麻子さんの『瞽女の啼く家』を読みました。初・岩井作品です。

東京と群馬だけで観ることができると思いますが、TOKYO-MXで平日の17時から放送している「5時に夢中!」という番組があります。放送時間に自宅にいることがあるときは、欠かさず見ています。実に個性的と言いますか、クセの強いと言いましょうか、曜日替わりで出演しているコメンテーターの、放送コードを多分超えている「歯にまったく衣を着せない」発言が面白くて、おそらく皆さんも一度見たらハマると思いますよ。
中でも木曜日のコメンテーターである岩井志麻子さんは、この番組を見るようになってから、俄然気になる人になりました。
自称「エロくて変なおばちゃん」な志麻子さんですが、番組でもその通り、まっすぐカメラ目線で少々の微笑みを浮かべて、さらりとギリギリの(ときには軽く放送コード超えてます)下ネタ連発。何とアッパレですがすがしい!
しかし同時に、志麻子さんの表情の中には品の良さや知性がきっちり見てとれます。ただの「エロくて変なおばちゃん」なだけではない魅力があると感じ、「そういう人が描く小説なら面白いに決まっている!」と思ったのでした。

そして最初に縁があった作品がこの『瞽女(ごぜ)の啼く家』でした。

明治の岡山。光を失った瞽女たちが暮らす瞽女屋敷。物の怪を感じる力があるお芳も、ここで暮らす瞽女のひとりだった。お芳が母とも慕う屋敷の頭であるすわ子は、ある日を境に寝込むようになり「牛女」とうわごとを繰り返すようになる…。

時代設定も良いし、光のない世界に住む3人の女性に語らせながら物語を展開していく手法も絶妙。ジワジワと攻めてくる「日本のホラー」の上質な話を読ませてもらった感じでした。ラストも、どういう形であれ、それぞれにハッピーエンドになったのが良かったです。
グロテスクでタブーだらけのシーンもありますが、ただのグロでもエロでもなく読ませてくれるところに志麻子さんの知性と品の良さが出ているようで、読みながら「ほらごらんなさい!」と、私の志麻子さん感がズレていないことを確認できたように思います。それも「良かったポイント」に加算。
岩井志麻子作品は、本人のキャラクター以上に魅力的でした。続けて作品を読みたい作家さんに登録決定~!
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