東新橋のイタリア

今年の夏はあれだけの猛暑でしたから、来年の春の花粉飛散量はハンパなものではなさそうです。私、見事に花粉症を克服しておりますが、スギ花粉に悩まされていたときは、夏がどれだけ暑いのかが、とても気になって過ごしておりました。
夏の間に思う存分できなかったこと、それは散歩です。外に出るだけでもイヤだったのに、歩き回るだなんて、想像もしたくないほどでした。それがすっかり過ごしやすくなり、秋の空は高く、心地よい風とやわらかい陽射し…。「秋ってステキ～！」なのです。

さて今回の散歩は、先日の「イタリア公園」とはJRの線路をはさんだ反対側です。ここのあたりの住所は港区東新橋２丁目となりますが、通称「イタリア街」。またしてもイタリアです。新橋なのに…。
イタリア公園もイタリア街も、あるのは新橋と浜松町との中間地点です。浜松町は羽田空港に向かうモノレールの発着駅がありますが、駅周辺は「賑やか」と言うほどでもありません。新橋は、ニュースやバラエティ番組でよく見かける、酔っ払いのサラリーマンの街頭インタビューが行われる場所です。
新橋はサラリーマン天国で、ランチタイムも安いお店が多いけど、やはりここは夜。安くて美味しい焼き鳥屋さんとか居酒屋さんとか、とてもオシャレとは程遠いお店だらけだけど、実は「新橋大好き！」なのです。お昼時に500円のうな丼が食べられるお店を見つけたときは、ビックリしすぎて腰が抜けそうでした。

そういう町に挟まれたところにあるイタリア街は、確かにこの風景だけを切り取れば「ここは日本なの？」と思えなくもないのです。広場もあって、ゆったりとした空間レイアウトで、しかも都心でありながら静かです。
でもこれらのビルの裏側は寂しいもので、これから新しい街づくりが進められるのかもしれないけど、あまりのギャップに、イタリア街は映画のセットor書き割りみたいに見えます。裏側で鉢巻姿の大道具さんが働いている感じ。この街に来るには、どこを通るにしても書き割りの裏を通らなければいけません。

ちなみに、右側にある神殿みたいな造りの建物。ここはWINS汐留です。日曜日に秋の天皇賞が行われましたが、おそらく広場が埋まるくらいの人が来ていたことでしょう。でも、この建物を見ると「競馬で儲かっているのは、この胴元だけだよ。巨大な神殿もどきのWINSを見ればわかるよ…」と思います。
それにしてもなぜ、オシャレな雰囲気を出したいイタリア街に、場外馬券売り場なんぞ作っちゃったんだろう？