あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

また会いたい!

2013-08-22 | 本(文庫本)
井上夢人さんの『the TEAM』を読みました。
文庫本の帯に「通勤電車で読みたい文庫№1 乗り過ごしにご注意ください」ってあって、そそられました。最近、帯のコピーに釣られるケースが多い…。でも後悔しているわけじゃないですから。それどころかこの作品、かなり面白かったです。釣られて大正解!

黒いサングラスに派手な衣装…。テレビで人気絶大な霊導師・能城あや子の個別の相談料は30分8万円という高額にもかかわらず、5か月待ちという大盛況ぶり。相談者の悩みをピタリと言いあてるだけでなく、さらに深部にある事実を探り当てる驚異の霊視力! と言うか、全盲で難聴である彼女のバックには、ハッカー並みの腕前を持つ悠美や、完璧な不法家宅侵入で細かな調査を行う草壁がいる。彼らの調査があるからあや子の「霊視」は外れるわけがなかった。さらに、常に冷静な敏腕マネージャー・鳴滝がチームをまとめる。彼らの活躍は「善」なのか「悪」なのか?

ま~、とにかく痛快な連作短編集でした。登場人物それぞれが魅力的なのはもちろん、設定も面白くて、霊視によるお悩み解決だけでなく、水戸黄門もビックリの勧善懲悪のストーリー。チームの爽快な働きがあって、その上でのあや子の霊視の結果「懲らしめてやりなさい」になるのは陰に潜んでいる悪人です。
確かに悠美や草壁のしていることは「犯罪まがい」なんだけど、結果、被害者がいないのです。それどころか、幸せになるべき人が救われている。
あや子の霊視に疑問を持ち、真実を暴こうとするゴシップ週刊誌の記者・稲野辺ですら、最後はこのチームに勝たせてもらって、不幸にはなっていないのです。

続編が読みたいな~。でも結末があの感じだから難しいのかな~。嗚呼、でもでも、また会いたい。あのチームに!
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