あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

浄化

2016-12-25 | スポーツ・エンタメ
昨年は年末年始にかけてガッツリ仕事をしていたので、行くことができなかった年末のN響の第9コンサート。今年は聴きに行ってきました。
本当に楽しみにしていたんです。昨年はパーヴォ・ヤルヴィの指揮で、聴きに行けなかったのが2015年最大の後悔でした。そして今年のコンダクターはヘルベルト・ブロムシュテットさん。もう絶対に行かねばならぬ第9コンサートなのでした。
N響の桂冠名誉指揮者になられたブロムシュテットさん。いつも慈愛に満ちた指揮をしていらっしゃって、どんな第9を聴かせてくれるのか、期待は大きかったです。


今回のソリストは、すべて外国人アーティストで、これは初体験でした。
クラシック音楽の師匠的存在のJ女史の言うには、日本人ほど第9を歌い慣れている声楽家はいないとのことなので、こちらは「どんなもんじゃろ?」な気分で。
実際、ソリスト全員が譜面を持っていたところに「歌い慣れている日本人とは違う!」と感じましたし、声の迫力でも「歌い慣れている日本人とは違う!」という感想でした。日本人の底力って、こういうところにもあるんです。


ブロムシュテットさんの指揮ですが、本当に素晴らしかったです。ご高齢なので、若干「大丈夫なの?」と思ったりもしたけれど、矍鑠としていらして、年齢を感じさせない指揮ぶりでした。
第3楽章の優しさったら、これまで聴いた第9の中でもいちばんの幸福感に包まれたし、第4楽章に入ってからは、正直に言います、感動で泣きっぱなしでした。こんなに人類愛に満ちた音を聴いたことがないくらい、ベートーヴェンの想いが、そのまま伝わってきたように感じ続けた時間を過ごしました。
「悲劇に見舞われても幸せになれることを、ベートーヴェンは音楽で示したかったのです」
と、ブロムシュテットさんは言います。本当にその通りでした。ありがとう、ブロムシュテットさん!

やはり年末は第9を聴くべきだなって思いました。誰もがそうだとは言わないけれど、私にとっては、第9を聴くことで浄化されるように思えるから。この一年のいろんなことを、宇宙一の愛で清めてもらって新年を迎える。お祓いよりも効果的な、欠かせないイベントです!

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