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あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

圧巻とはこのことか!

2021-08-29 | 本(文庫本)
浅田次郎さんの『天子蒙塵』を読みました。
『蒼穹の昴』シリーズの文庫最新作。この大長編作品を読んだのは実は3か月も前のことなんだけど、読書記録を残せずに今に至る、ってことになっちゃいました。だって、記せなかったんだもん。私ごときがこんなブログにチョチョイと感想を記すなんて、とてもとてもおこがましくて完全に及び腰になっちゃった、そんな作品でございました。

一巻:ラストエンペラー・溥儀と離婚した側妃・文繍。中華皇帝が離婚訴訟を起こされてしまうという「事件」を、文繡の語りで綴られる。
二巻:再び皇帝の座に就くことを夢見て天津を脱出す溥儀。張学良不在の間に満州占領を謀る日本軍の前に立ちはだかったのは、かつて張作霖配下の馬賊・馬占山だった。
三巻:溥儀の近くにいたのは、満州で復権した甘粕正彦と日本に渡ったはずの梁文秀。そしてヨーロッパにいた張学良が帰還する。
四巻:上海に帰ってきた張学良は龍玉を抱いて国を統べるべき救世主を探し続ける。そして梁文秀や李春雲の支えを得て、ついに溥儀が満州国の皇帝の座に就く。


と、ものすごく簡単にまとめるとこうなるのですが、本当はこんなモンじゃないんです。
史実としての登場人物たちと、このシリーズの本当の主人公である春雲や文秀(歴史が進んでいるのだから当たり前のことなんだけど、二人とも年をとってしまっているのです)や満州で映画オーディションを受ける日本人の少年や、馬賊に憧れる別の日本人少年たちが物語をさらに魅力的にしてくれたりで、本当にどこにも隙がない。こんなに長いお話なのに、ずっとクライマックスが続いているみたいな感覚で夢中で読んでしまいました。
そしてラストで描かれる玲玲(当然彼女だってすっかり中高年になっているのです)の強さ。終章はあるけれど「ここで終わるのか」と、圧倒されました。
ただただ圧倒。何と幸せな読書時間だったでしょうか!

こんな凄い作品を読んだのに、読書記録がこの程度にしかならないのが歯がゆいわ~。
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