まだまだ 先

気になったことや思いついたことなどをときどき書きます。

西加奈子 ふくわらい

2019-07-25 17:29:06 | 日記

西加奈子 「ふくわらい」


あっという間に読了しました。

文中に何度も出てくるキラッとした文が印象的でした。
題名「ふくわらい」の意味が読みはじめるまで謎でしたが、一行目からふくわらいについてかかれていてずんずんと読み進めてしまいました。


守口廃尊のセリフで天才について語られていたシーンが特に心に残りました。

「あんたは、まっすぐだから。全部、真正面から、見て、それから、全部受け止めるから。」

物事をまっすぐみて、まっすぐ受け止めることができる人は本当に強くて、そうゆうひとが天才と呼ばれるんだなと思いました。

また句読点の使い方などから、廃尊の息づかい、天才になれなかった無念な気持ち、そして諦念などを感じました。



西かなこさんの小説は、なにか強い力で心をぐっと引っ張られるような感覚にさせてくれます。


これからも西さんの小説を読んでいきたいです。
ありがとうございました。


百田尚樹 引退作品

2019-07-24 18:32:31 | 日記
百田尚樹 「夏の騎士」

読了しました。
普段単行本は値段が高くてあまり買わないのですが、百田尚樹さんが引退すると聞いたので記念に購入しました。

はじめは引退作品だと身構えていましたが、内容は小学生時代の何気ないきらきらとした日常が描かれていて、読み終わったあとさわやかな気持ちになりました。

何度も予想を少しだけ裏切られ続けました。
特にエピローグ。

最後の三行は何度も読み返しました。

素敵でした。


本当に小説家という人たちはすごいなと思います。
なぜこんなに心があたたまるストーリーが書けるのか。

百田さんの本がもう読めないのは寂しいですね。


幸せなひとときをありがとうございました。

サラバ

2019-07-19 20:10:21 | 日記
西加奈子 「サラバ」


読了しました。
本当に言葉に表せないほど、もやもやとした気持ちのよい余韻です。

すごかった。
こんな本をかける人がいるんやなと思った。

心をぐっと横にはたかれてる感覚。
力強い物語でした。

興奮が冷めやらないのでうまく言葉にできません。

信じるものってなにか?
自分の軸って何か?

呆然とした。
すごすぎる小説でした。

とにかく読んでください。

レンタル世界

2019-07-06 17:28:39 | 日記
朝井リョウさんの「ままならない私とあなた」に収録されている レンタル世界 を読んだ。


昨日からのどが痛くなり、体調が悪いなーと思っていたけれど、本屋には行きたいから行ってぷらぷらしているときに見つけた本がこの本だった。

本当は新書などを見に行く予定だったけれども、なんか読む気がおきなくて、文庫コーナーを見ているとふと目に入ってきたから購入した。

すべてをさらけ出して、人付き合いをしてきた主人公と友人や恋人をレンタルしてその場をしのぐ人たちの対比がおもしろかった。


さらけだすからこそ仲良くなれるということは傲慢な理論だなと思った。
自分はこれだけさらけ出しているのだから、あなたもさらけ出しなさいという強要。

そして、誰にも秘密がある。
すべてをさらけ出して付き合うことの難しさを感じた。

さらけ出すことが良いことではなくて、人とうまく付き合うために必要な距離をとる技術が必要だと思った。