現代へのまなざし

日本とはなにかを探求します。

安倍政権の嘘がまかり通る日本社会

2017-06-07 22:46:37 | 政治
 安倍政権の嘘が多く発信されているが、今の日本ではその嘘がまかり通っている。森友学園問題、加計学園問題、この2つの問題に共通していることは、安倍総理自身がこの問題に関与していた場合には自ら責任を取ると発言したことから、安倍総理や昭恵夫人の関与があったにも関わらず、一貫して関与を否定しているということである。特に加計学園問題での安倍総理、首相官邸の嘘は酷いモノであるが、内閣支持率は大きく低下しない状況で、安倍政権の嘘に不感症になった国民の姿がこの支持率に見受けられる。これにはマスコミも大きく関与しているようである。

 加計学園の獣医学部新設を認める国家戦略特区に関する問題で、前川喜平前文部科学事務次官が「週刊文春」の取材に「『総理のご意向』などと記された一連の文書は、私の手元にあるものとまったく同じ。間違いなく本物です」と証言し、、さらに、5月25日の記者会見で、菅官房長官が怪文書だと言い、文部科学大臣が存在を確認出来なかったと言った文書に関して「私が在職中に作成され共有された文書で間違いない。文科省の幹部に共有された文書で、自分も受け取った。ちゃんと捜索をすれば出てくるはずだ。あったものはなかったことにできない」と述べた。

 一方で官邸側は、事実を解明することなく、事実を隠蔽することに汲々としているようである。さらに、記者会見前に読売新聞が「辞任の前川・前文科次官、出会い系バーに出入り」という記事を掲載し、前川・前次官の人格を攻撃することで、その発言の信頼性を低めようとしている。
 安倍政権では、警察官僚(警視庁刑事部長経験者)が政権のために活躍していると言われているが、警察が保有している各種の情報が政権に提供され、政権にとって不都合な人の情報が政権から大手マスコミに提供され記事になる(政権が読売新聞に、人格攻撃をする記事にさせた)ということは容易に推測できることである。
 政権の意向に従って新聞記事を掲載する読売新聞社はすでに政権広報紙というべき状態と言えるであろう。

 今回の加計学園の獣医学部設置に関する問題のように、行政上の必要性、公平公正性からは到底認められないものが、学園の理事長が安倍総理の腹心の友であり、総理の意向によって国家戦略特区として認められる、総理のお友達に対して行政が便宜を図る、このような国家を私物化するようなことは断じて許されてはならない。

 このような行政運営上の不正が認められ、その不正が総理の指示によって行われた可能性が非常に高いにも関わらず、政権はこれを隠蔽し、さらに政権与党である自由民主党や公明党は事実解明を行わない。さらには大手新聞社である読売新聞も政権擁護のための記事を掲載する始末である。民主主義に不可欠の言論の自由であるが、政権擁護の言論は北朝鮮などの独裁国家に必要なもので、民主主義では各種政策・施策について是々非々で望み、民主主義的価値観によって判断するものである。政権による不正を隠蔽することが言論機関の役割ではないことは当然のことである。

 前川・前文部科学事務次官は証人喚問を受け入れると明言しており、事実を解明するためには、国民の信託を受けた国会議員が国会で証人喚問を行うことが必要であるにもかかわらず、自民党は証人喚問を拒否する。自民党議員は、国民の代表者ではなく、安倍政権の下僕として国会を運営していると言わざるを得ない。
 総理の意向を忖度し、総理のために必死になって事実を隠蔽し、不正を隠そうとする自民党は責任政党とは呼べない。

 国民のための行政を念頭に、自身が各方面から攻撃されると予想されるにも関わらず記者会見で事実を述べた前川氏は官僚の矜持を示したが、事実を隠蔽し個人攻撃を行う自民党は無責任政党になり、さらに大手新聞社が政権の広報紙になる今の日本の状況は異常と言わざるを得ない。

 天武天皇は天皇の正当性を主張するために日本書紀を編纂させたが、安倍政権は政権の正当性を主張するために嘘を並び立て、事実を明らかにする者の人格を攻撃し、さらに言論の自由を振りかざす御用新聞を使って政権の広報を行っている。そんな政権を支持する国民が半数を占める今の状況は、啓蒙が必要な無知蒙昧な国民が増えているという状況かもしれない。神話がまかり通るような時代と同じような状況になっていることに大きな不安を抱かざるを得ない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする