広田堰
アースダム
平久里川水系海老敷川 千葉県南房総市
訪問日 2025/2/23
千葉県ダム・ため池現地研修
ダムマイスター福角様の企画、安房中央土地改良区事務局長小橋様の甚大なる協力を頂き行われました。大変ありがとうございました。
まず、安房中央土地改良区にて、レクチャーを頂きました。千葉県の農業、地形、地質、農業及び土地改良の歴史等々。学生時代、勉強嫌いだった私ですが、大変興味深く聞く事が出来ました。
そして向かったのが広田堰。この地方では、ため池の事を"堰"と呼ぶとのこと。堤高16.7m、堤頂長57mのアースダムとなります。1928年(昭和3年)竣工。余水吐の構造が「垂直落下式余水吐隧道」と呼ばれる大変珍しいもの。
広田堰は、通常は立入禁止ですが、今回は特別な許可を頂き見学並びに写真撮影させていただいております。
現地に到着して、まずは堤体を眺めます。草は刈り込まれ奇麗に手入れされています。アースダム下流面の形が美しい。溜池の水の色はモスグリーン。房総のダムの水は大体このような色ですが、栄養分が豊富だとか。そして立入禁止のゲートを越え「垂直落下式余水吐隧道」へ。崖を掘削して造られた斜樋と、その先に立坑式余水吐、さらに余水吐隧道。隧道の向こうには導流部。この時点で、ダムを見に来ているというより、洞窟探検の雰囲気。しかし、興味深い構造です。約100年前にほぼ手掘りで造られたという事が凄い。
一旦天端に戻り、下流面下へ下りて行きます。堤体下部には石垣。ダム下から流れる海老敷川の河原には令和元年台風の際の倒木がそのままになっています。そこから、立坑の下から掘られた隧道の出口を見に行きました。
大変貴重なため池を見る事が出来ました。農業は大変な苦労の歴史の上で行われているという事を改めて知りました。
左岸から下流面を眺める 天端には研修会参加者が集う
左岸から下流面下を見下ろす
天端 ここから先は立入禁止
左岸から上流面を眺める
天端中央付近からのため池(ダム湖) ※立入禁止区域内にて撮影しています
右岸からの上流面、天端 ※立入禁止区域内にて撮影しています
獣害防止のための電気柵 スイッチを切っていただき進行
右岸から垂直落下式余水吐隧道へ向かいます ※立入禁止区域内にて撮影しています
垂直落下式余水吐隧道 手前から、斜樋、立坑式余水吐、余水吐隧道 ※立入禁止区域内にて撮影しています
斜樋 脇に『昭和三年三月竣功』と書かれている様だ ※立入禁止区域内にて撮影しています
立坑式余水吐 落下事故防止のための格子が施されている ※立入禁止区域内にて撮影しています
余水吐隧道 ダム見学とは懸離れた光景 ※立入禁止区域内にて撮影しています
隧道の先は導流部となっていて川に落ちていく ※立入禁止区域内にて撮影しています
下流面の真下から ※立入禁止区域内にて撮影しています
堤体下部の石垣 ※立入禁止区域内にて撮影しています
海老敷川の河原 ※立入禁止区域内にて撮影しています
立坑の下から掘られた隧道の出口 ※立入禁止区域内にて撮影しています
近付く ※立入禁止区域内にて撮影しています
隧道を覗き込む 後方から強力ライトで照らして頂いた ※立入禁止区域内にて撮影しています
天端の端にある鳥獣保護区区域図の看板 広田堰は、海老敷第1堤と記されている