夫は3月末で定年退職します
職場の方が夫を囲む会を開催してくださり
私もお招きいただきました
会場には、すでに退職された懐かしい顔ぶれの先輩方、上司の皆様、同僚の皆様、今は別の組織で頑張っておられる皆様と、多くの方が集ってくださりました
開会の挨拶、乾杯の挨拶、贈る言葉…多くの皆様が夫との思い出を語ってくださり、ありがたいお言葉の数々に職場で夫がどのように過ごしてきたのか知ることができました
多くの方が私の席を訪れてくださり、夫に助けられたこと、夫に励まされたこと、夫に元気をもらったことなど話してくださりました
親身に人の相談に乗ったり、問題解決に没頭したり、周囲の方々が「お家に帰らなくて大丈夫ですか?」と思うことも多々あったとのこと
「職場のために頑張ってくださったのは、奥様の存在に支えられてこそだと思います」とおっしゃってくださりました
夫を囲む会で妻の私が多くの方にねぎらいの言葉をかけていただいているとき
ここ数十年の出来事が走馬灯のようによみがえりました
私も夫と同業者で、別の組織で長く正職員として勤務していました
私も仕事が好きでした
生きがいを感じ、一生懸命働いてきました
同時に家事・障がいのある子の育児もほぼすべて一人で担っていました
限界まで頑張って、でも時間も心も足りなくて、しんどくて
お互い同じように働いているのだから、家事・育児も一緒に行ってほしい、と夫に伝えた時「できない」と言われました
夫がふざけて「できない」と言っているのではないことはわかっていました
同じ職種なので、夫が忙しく余裕がないことはわかっていました
真面目に働いていることもわかっていました
私も夫と同じように忙しく余裕がありませんでした
でも誰かが家事・育児をしなくては家庭は崩壊してしまう
夫に「できない」と言われた時の絶望感、全身の力が抜けていく感じは忘れられません
じゃあどうする?となったとき、自分でやるしかないと思いました
家事・障がいのある子の育児を「できない」と言う夫と結婚したのは自分
もちろん結婚当初は、将来そんなことを言う人になるとは思いもしませんでしたが
ヒマなのに家事・育児をしない、というわけではないことはわかっていたし
本当に仕事でいっぱいいっぱいなんだということは伝わっていました
私も同じなんだけど
いっぱいいっぱいなんだけど
そう思いつつ、家族でいることをあきらめなかった
その後、フルタイム労働+ワンオペ家事・育児の長い時が過ぎ
私は過労で体調を崩し
退職を余儀なくされました
好きだった仕事をやめること
ライフワークを断念することは
本当に本当につらかったです
その後体調が回復してからは
家事・育児を一人で回してもダウンしない範囲の仕事につき兼業主婦を続けてきました
その後介護離職を余儀なくされましたが
もしも夫が家事・育児を私と一緒に担い
私があのまま自分の仕事を続けられていたら
今頃私の “囲む会” を催していただいていたのかもしれない
でもそうなっていたら
夫の “囲む会” は今日のこのような形ではなかったのかもしれない
夫と二人並んで綺麗な花束を受け取った時
様々な思いが胸にあふれ
家族をあきらめずに頑張ってきてよかった、と思いました
夫の職場の皆様に
心から感謝いたします
