10月25日に瀬戸市・瀬戸蔵つばきホールにて『渡されたバトン~さよなら原発~』
を鑑賞して来ました。
明治時代、足尾鉱毒事件で帝国政府と闘った田中正造の言葉「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」
2011年3月11日、およそ2万人の犠牲者を出した東北大震災が、そして東京電力福島第一原発の事故が起きました。
被爆日本国が皮肉にも放射能を、バラ撒いて居るのです。安全神話のもと、国策として推進されてきた原子力行政・・・原子力は真の文明だったのでしょうか。
『思えば遠くへ来たもんだ』という気がしてなりません。
前作「弁護士 布施辰治」で石巻・女川に本拠地をおき撮影をして、第二の故郷と思っていた私にとって大変なショックでした。
2~3ヶ月後、3年越しで撮影時に宿泊していた女川原発にはほど近い民宿をたずねました。集落は津波に呑まれ跡形もありませんでした。
しかし集落の犠牲者は少なく、ほとんどの人が女川原発に非難していること、もし女川で福島原発のような事故が起きたら・・・これまであまり気にしてなかった
原発問題が現実のものとなったのでした。そんな時『渡されたバトン』の企画に出会いました。
舞台となる巻町(現在は新潟市西蒲区巻)には何回も行き,たくさんの人から話を聞きました。
誇り、プライドをもつ人、喪失感を抱きながら生活している人、早く忘れたい人など、原発建設にまつわる闘いは多くの人の心にくすぶり続けていました。
監督が取材して思ったのは、国と電力会社の前では原発推進派、反対派にかかわらずみんな被害者だということです。
単なる原発反対の映画にしてはいけない・・・・そこで生活する人々の喜怒哀楽を描くことこそ大事なことだと思いました。
様々な人間群像のなかにこそ真の共感が有るのではないか、今わたくしは田中正造の言葉をかみしめ、最終仕上げ作業をしています。
次世代の人々に正しいバトンを渡す一助になることをねがいながら・・・ 池田博穂監督のコメント
鑑賞中に涙が出て来ました。皆様も機会が有りましたら是非鑑賞して下さい。
雨の中の海ほたる