<詰碁解答コーナー>
問題図(再掲)
初手は黒1以外に考えられないでしょう。以下黒5まで一本道。ここで素直に白Aとつなぐと白6で眼あり眼なしになるので白6が最強の抵抗ですが、
黒7以下、冷静に打てば仕留めることができます。
黒9、11の手順を逆にしてしまうと、白が外に脱出してしまいます。白△の三子はこのためにあるのでした。
落ち着いて攻め合いを読むことがポイントでした。
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皆さんこんにちは、tsumebloです。
今回は皆さんお待ちかねの(?)妙手紹介シリーズ、第2回です。
というより、囲碁ネタが久しぶりですね。
妙手を探すのはなかなか難しく、四苦八苦しています。
今回は古碁から、1842年8月7日8月7日と言えば野比のび太の誕生日!に打たれた、太田雄蔵-安田秀策(二子)戦です。安田秀策は皆さんご存知の通り、のちの本因坊秀策です。
秀策はこの時まだ数えの十四歳、雄蔵とは二子の手合いでしたが、ここまで秀策の六勝三敗二ジゴ、この碁に勝てば四番勝ち越しで先二(先と二子を交互に打つ手合い)に打ち込むことができる、大事な一局です。
現在、雄蔵が白△に打ったところ。まず黒は左上の一団を生きなければなりません。生きるだけなら簡単ですが、中央の黒の大石もまだ生きていないことを考慮に入れ、最善のシノギを考えてみてください。
黒1、3のような凡手では、生きることはできるのですが、白2と先手で黒二子を取られ、白4で中央の大石が心配です。
黒1の置きが妙手でした。白は2、4と追及するしかなく、黒1と打てば黒5までは一本道で、実戦もこう進みました。
白6、8とさらに追及していきたいのですが、黒11までコウになってしまいます。このコウは黒にソバコウが多く、さらに白も負担が大きいので、白はやれないのですね。とはいえこのコウを争い、代償として中央の黒の大石を取りにいく展開も見たかった…と思ってしまいますが、実はコウダテとして中央の黒の大石を追い立てていくと、途中でコウをやめられて中央右側の白の大石を取りに来られそうで、結局このコウは白無理なのですね。
白6とサガる手も面白そうですが、黒7、9、11と冷静に生きます。この図が最初の黒1で3にスベった図と何が違うのかといいますと、白▢の三子と黒○の二子の攻め合いが、左上黒の死活に全く関係していないというのが大きいのです。白Aが先手にならない方が、中央の黒の大石が断然シノギやすいのです。
実戦は白6で左上をやめ、中央の黒の大石を取りにいきましたが、黒13でぎりぎりシノいでいます。本題とは関係ないので説明は省かせていただきますが、白Aが先手でしたら、tsumebloにはシノギが見えません。
素晴らしいシノギの妙手でした。
まあ、秀策大先生には「このぐらいの手は見えて当たり前」と言われそうですが…。
秀策はこの後も緩まずに勝ち切り、みごと雄蔵を先二へと打ち込みました。
<詰碁出題コーナー>
黒先です。まさに絶体絶命といった感じの黒ですが、なんとか粘ってください。
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