確かに独り占めして食べた栃餅とかたくりの花の球根の粉
独り占めしていただいた
あの忘れもしない幻の食べ物
①
栃餅に使う・・・
栃ノ木には実ができる。
高木落葉樹で樹高約四十メートルとなる
根本あたりに
秋になるとぽろぽろ落ちてくる。
クリの実とドングリの実を掛け合わせたような
果実
苦みが強烈でそのままでは
いただくことができない。
もち米と合わせて
臼と杵でつくまでには
約一か月かかる
あく抜きには
囲炉裏の灰を使う
いまでは
炭酸水素ナトリュウム(食用)かな?
明治以前飢餓が
日常茶飯事の時代の食べ物だ。
そのおばあちゃんは明治初期生まれ
昔の少女時代を思い出して
作ってくれた。
小学四年生の
このぼくはあまりにもおいしすぎて
いただいた栃餅全部一人で食べてしまった。
ぼくの家に毎日のようにあそびにきてくてれいて
おばあちゃん三、四人で
お茶をのむのが日課
そんなおばあちゃんの話に興味津々なこの僕
ぼくは今でも田舎にいる兄が好きになれない。
その兄は若い頃は何もしない人間で
野鳥ばかり追いかけ
鳥もちで野鳥を捕まえている人だった。
自分の好きなこと以外何もしない人
その兄が
このぼくに独り占めして全部食べたのか
アンネ貴重な食べ物を
だって
そのおばあちゃんにそのことを話すと
気にするな
豊かに食べてもらって
本当にうれしいって言ってくれた。
僕は目が輝いた
だからこうして今も感謝できる
ありがとう
感謝してます
②
カタクリの花の球根の
かたくり粉
かたくりの花の球根を
すりつぶし乾燥
いわばでんぷん
これは二軒先のやはり明治初期生まれのおばあちゃん
ぼくのおばあちゃんと
いつもお茶を飲んでいた。
ハチミツの瓶に八分目入ったカタクリの粉
このぼくに作ってくれた
大変な時間と作業を要する
カタクリの花の畑がなくならないように
根こそぎ採取してはいないのにもかかわらず
悪口を言う人もいた。
幻のカタクリの粉に
お湯を入れて
少しの砂糖を混ぜ飲む
別世界の味がした。
小学四年生のこのぼくは
自分で発言できる
最高の感謝の言葉をした。
豊にほめてもらってとても嬉しいと言われた
豊かに飲んでもらって幸せだとも言っていた。
だからそのおふたりのおばあちゃんの顔と声を
その時の顔も今でも覚えている。
ありがとう♪
感謝します♪
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