今日、秋葉原に行って、ロイヤルホストで昼食してた時に読んだブログで紹介されてた話に、ものすごく感動したので、その部分を転載させていただきます。
転載元は「澤藤統一郎の憲法日記」(http://article9.jp/wordpress/)タイトルはお堅いですが、内容はけっこう分かり易いです。
では、転載させていただいたものを。
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エッセイのタイトルは、「君をハグしていい?」というもの。
筆者西川悟平(1974年生)はニューヨーク在住で、「7本指のピアニスト」として知られている人だという。
2年前の1月の寒い日、二ューヨークのマンションで2人組の泥棒にあいました。夜10時ごろ、ノックの音に、ルームメートの友達だと思いドアを開けると、黒人とラテン系の男が入ってきて、注射器を突きつけられました。中には透明な液体が入っていて、なんだか分からないままホールドアップ。1人が僕に注射器を突きつけている間、もう1人がクレジットカードやパソコンなどを盗みだしました。
初めはすごく怖かったのですが、だんだんと怒りに変わり、その後「何が彼らをこんな行動に駆り立てたんだろう?」と好奇心に変わりました。アメリカの大学で心理学を学んだことがあったんです。
恐る恐る「しゃべっていいですか?」と聞くと「うるせえ! 黙れ!」。「ごめんなさい! ただ君たちがどんな幼少期を過ごしたのか…なんでこんなことをしなくちゃいけなくなったのか…そう思っただけです!」
するとラテン系の男が一瞬動きを止めて、「お前にあのクソ痛みが分かるか…俺の親父は俺が子どもの時から俺に性的虐待をしてきた。母さんは、俺が物を盗ってきたら愛してると言ってくれたんだ」。僕は涙が出てきました。「つらかったね…。あるものはなんでも盗っていいから! 君をハグしていい?」。彼は「俺に近づくな! 今センシティブな(感じやすい)気分なんだ!」。注射器を持っていた男は「お前は日本人か? お前らは、人を深く尊敬する文化があるから、俺は好きだ」と言いだしました。
「日本から届いた緑茶があるけど飲みますか?」と聞くと、2人とも「飲む」と言うのでお茶を沸かし、3人で話しました。ラテン系の男が翌週に誕生日だというので、ハッピーバースデーをピアノで演奏しました。時計は明け方4時を指していました。
僕自身アメリカではひとりきりで、指に病気を抱えながらピアニストで頑張ってると伝えると、「お前ならきっと1年後には笑って過ごせる日がくるさ」と応援してくれました。僕は「あなたたちは、人間としての素晴らしい価値があるから、お店で働くなり、アルバイトをするなり、何か必ずできる仕事があるはずだ」と伝えました。
2人は、僕のマンションの壊れかけた暖房設備を修理し、盗んだものをすべて返してくれ、「次から相手を確認するまでドアを開けるなよ」とお説教。明るくなりはじめた頃、出て行きました。1人ずつハグをして「お前に会えて良かった」と言って。
僕は翌年そのマンションを引っ越しました。彼らが元気で幸せであることを願っています。
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これを読んでて、店内であるにも関わらず、涙があふれてきました。かろうじて落涙、嗚咽はしませんでした。
悲しくて涙が出てきたのではないんです。感動しての涙でした、人はなんて素晴らしいんだと。
これと似たようなエピソードが、夢枕獏さんの陰陽師に出てくる、源博雅にもありました。
自宅に泥棒が押し込み、家具等、根こそぎ盗んでいくんですが、その後、源博雅が吹く笛の楽に感動して、泥棒が盗んだものをすべて返してに来るんです。
また、アニメでも超時空要塞マクロス(初代マクロス)の劇場版でも、戦闘中にリン・ミンメイの歌が響き、それがゼントラーディー(敵方の戦闘クローン種族)の心から、文化の鐘を共鳴させて、ただ命令の為に争うのでは無く、文化を取り戻すために戦うと変わる姿、これも似ています。
当時、劇場で涙を流してました。今でも、「愛おぼえていますか」を聞くと、この時の感動を呼び覚まされます。
この3つのエピソード、どれも自分には感動でした。そして、そこに共通しているのは、「文化」なんです。人が人であるために、あたりまえに持っているもの、それが「文化」だと思っています。先のマクロスでは、戦闘に不必要として、ゼントラーディーは、文化を剥奪されていました。そして人に戻るために、文化を取り戻そうとしたのです。
今、この文化をないがしろにし、文明や科学の発展の名の基、大学の各部を潰したりして封殺しようとしている動きがじわりじわりと浸食してきていることに、怖気を感じます。
いつものような、写真ブログでは無くて申し訳ないですが、ツイッターでは書ききれませんでしたので、ブログにさせていただきました。
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