さて、日本でもすっかり定着しているハロウィーン。定着するにつれて、ケルト人の祭りが起源ということも広く知られるようになっているみたい。ケルト人の祭りに由来するのでキリスト教の行事ではないと言われることもある。しかし、キリスト教の行事だと言っても100%間違いではないでしょう。
11月1日は諸聖人の日(万聖節)というキリスト教の行事があり、「Halloween(ハロウィーン)」という言葉は「Hallows' Eve(諸聖人の日の前夜)」が訛ったものである。
ハロウィーンの飾りや絵に十字架が描かれている。
昔、ケルト人は11月1日を新年の始まりとしていて、「サーウィン」と呼ばれる年越しの祭りが行われた。それがキリスト教と融合してハロウィーンが生まれた(絵本、商品のパッケージなどでそういう説明が書かれていることがある)。
かぼちゃで作った「ジャック・オ・ランタン」は、いたずら者のため天国に行けず、地獄でもひどいいたずらを働いたため地獄からも追い出されてしまい、さまよっているジャックという霊を表している。
カトリック教会が7世紀から導入した諸聖人の日も、ケルト人の祭りに倣ったものという説もある。
ハロウィーンとキリスト教との関連を考えてみると興味深いことがわかる。いくつか矛盾点もある。
ハロウィーンは祭りの内容からすると偶像崇拝や多神教と関連していて、カトリックは偶像崇拝も事実上行われていて、多神教的なものも受け入れやすいのに対し、プロテスタントは宗派にもよるが偶像崇拝を否定し、聖人崇敬も行わない。そのため、ハロウィーンはプロテスタントよりもカトリックに受け入れられそうなイメージだが、実際にはプロテスタント圏の方が普及している(とりわけ英語圏で早くから行われた。英語以外の欧米の言語では他のキリスト教の行事と違って独自の言語での呼び名がなく英語の「Halloween」を借用している)。一方、諸聖人の日(11月1日)はカトリックでは重要な行事の一つとして盛大に行われる。そのためか、ハロウィーンはあまり普及しなかった。メキシコでは11月1日は死者の日(10月31日にも前夜祭が行われる)という伝統行事があるため、ハロウィーンが入ってきたことによって伝統行事の影が薄れることも懸念されている。しかし、教会では逆に、プロテスタント教会ではハロウィーンの礼拝、行事は特に行わず、教会の中でハロウィーンパーティーを開こうとすると止められるなど、ハロウ
ィーンに関して否定的な所が多い。カトリック教会では、ハロウィーンミサ、イベントなどが行われている所も多く、ハロウィーンに関して積極的な傾向がある。
ハロウィーンの語源は「諸聖人の日の前夜」なので、諸聖人の日が主でハロウィーンが従という位置付けだったはず。キリスト教徒が少数派の日本では諸聖人の日は一般的に行われず、ハロウィーンだけが一人歩きしている。しかし、それは日本に限ったことではない。ハロウィーンが早くから普及したのはプロテスタントが多い地域である。プロテスタントでは諸聖人の日を行わない宗派が多いため、多くの人にとってハロウィーンだけが単独で存在する状態になっている。
仏教でも…
アメリカの仏教寺院でハロウィーン礼拝が行われている例もある(Self, Other, and the Dharma Online - The Buddhist Church of Oakland!)。さらに、日本でもハロウィーンのイベントを行うお寺もある(グーグル:"お寺でハロウィーン")。
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