傑作、というか、
何もかも小津カラーで彩られた作品。
小道具の湯飲み茶碗、灯篭、列車。
父と娘との関係。
さて、
節子役の有馬稲子、
ゆきこ役の山本富士子はさておき、
節子の妹、久子役で出ていた桑野みゆきについて。
当時、16歳くらい。
確かに、その顔は、
わいの少年時代の顔と似ていた。
わいの遊び友達(1級上)の兄さんが、
従って、わいよりも3、4、5歳くらい上だったと思うが、
その人がわいを見て、
「桑野みゆき」に似ていると言った。
今思うと、
あんな田舎の貧乏村の貧乏人がなぜ映画を観ていたのか、
観ていないにしても、
なぜ女優のことなんか知っていたのか、
不思議だが、
その兄さんが、
確かにそう言った。
今夜、映画「彼岸花」で、
偶然、桑野みゆきと自分の幼い頃の面影とに出会えたことを、
嬉しく思う。
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