雑賀崎漁港を見下ろす。年に数回、古女房の鞄持ちとして旅をする。自分一人なら絶対訪れない場所。鞄持ちとしての感想は、「こんな場所もあるんだな」。高台の部屋から見下ろす海の風景には、しかし、何か心が落ち着くものがある。ここは、紀州。偶然なのか、手元には南方熊楠の本があるから、夕食までの一時、ちょっと読んでみるか。