紫香楽宮だ。
今となっては、昔の話だが、
その紫香楽宮跡には3度程行った。
狭い空間だった。
雑草におおわれた柱の跡などを見ていると、
なぜか心の奥のほうが寂しくなって仕方がなかった。
きょうのニュースを見て、大いに心が動いた。
当時は、無論、
想像さえしなかった歌木簡が
その紫香楽宮跡で
12年前に発見されていたという。
解析結果によると、
万葉集の安積香山の歌だ。
こりゃ、国宝にすべきだ。
これが僕の最初の感想だ。
1200年の悠久の時を越えて、
今、蘇るのは采女の「浅き心」ではあるまい。
「影さえ見ゆる山の井の」清冽さは、
見ている間だけ続く見ている者だけの虚無であり、
陽炎であり、
永遠であるだろう。
欠けた厚さ1ミリの歌木簡、
残されたものはそれがすべてだ。
あとは土と化したのだ。
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