あけましておめでとうござりまする!
今年もどうぞよろしくお願いいたしまする!
2022年の初展覧会は、サントリー美術館「聖徳太子 日出づる処の天子」でございます。
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2021_4/index.html
サントリー美術館開館60周年記念展は、聖徳太子千四百年御聖忌記念特別展。
昨年の11月から開催されており、山岸凉子『日出処の天子』も大好きじゃし、もっと早くに行って展示替えも観る気満々じゃったのに、いつの間にやら6期ある展示替えのうちの最後になってしもうた。
構成は以下の通り。四天王寺の寺宝を中心に、様々な太子像やゆかりの品々など展示されておりまする。
お気に入りや気になった作品もリスト順に。(◉=国宝 ◎=重要文化財)
【第1章:聖徳太子の生涯 ― 太子の面影を追って】
太子絵伝や、太子が所持したと伝わる飛鳥時代の品々や、事績を物語る作品など。
《聖徳太子絵伝 第七・九幅》◎ 愛知・本證寺
《聖徳太子絵伝 甲・乙・丙幅》兵庫・香雪美術館
《聖徳太子絵伝(模写)第一・二・五・六幅》愛知・安城市歴史博物館
太子の生涯を大画面に描いた9幅を、ずら~り並べて展示。
解説パネルも分かりやすい。
《聖徳太子童形半跏像》大阪・四天王寺
柄香炉を持って椅子に座る16歳の太子。まるっとしたお顔にキリッとした表情、キラリと光る目。
座っている椅子もツボ。座ってみたい・・・(こらこら)
《聖徳太子勝鬘経講讃坐像》◎ 兵庫・中山寺
経巻を広げた机の前に座る太子は、口が少し開いて今にも語り出しそう。
頭上の冕冠の細工が緻密でゴージャス。
《七星剣》◉ 大阪・四天王寺
太子が所持していたという刀で、北斗七星や雲気を吐く獣や雲などが彫られておる。
飛鳥時代のものとは思えぬ銀色の輝きはオーラありあり。
《鳴鏑矢》◎ 大阪・四天王寺
「太子伝来七種の宝物」のひとつで、射ると大きな音を発する矢。
《龍笛・高麗笛(京不見御笛)》大阪・四天王寺
太子が愛用したと伝わる一対の笛。どんな音色か聴いてみたいのぅ。
【第2章:聖徳太子信仰の広がり ― 宗派を超えて崇敬される太子】
多種多様な太子像と、諸宗派における太子信仰の広がりを示す作品。
《聖徳太子二歳像(南無仏太子像)》◎ 兵庫・善福寺
数え年2歳で東に向かって合掌し『南無仏』と唱えたと伝えられるお姿の、等身大の像。
まんまる頭部の中心に目・鼻・口が寄っておるが、端正なお顔立ち。
《三国祖師影(「醍醐寺文書聖教」第一五一函一三号)》◉ 京都・醍醐寺
46人の高僧が描かれた絵巻。皆ちょっと漫画チックなお顔(こらこら)
太子は観音の化身とみなされておるそうで、太子だけ頬が薔薇色。
《聖徳太子童形立像(孝養像)》◎ 茨城・善重寺
年に1度、太子の命日にだけ御開帳される秘仏、近くから拝見できて嬉しゅうござります。
髪を角髪に結い、左手に柄香炉、右手に笏を持って立つ太子。盛り上げ彩色の衣装も美しい。
厳しい表情じゃが、見目麗しく気品もありありでたいそうお気に入り。
《聖徳太子童形像・六臣像》大阪・四天王寺
この絵の太子の部分が本展のメインビジュアルになっておりまする。
上記の《聖徳太子童形立像(孝養像)》がそのまま絵になったようなお姿じゃが、こちらの髪は垂髪で、衣装も背景も華やか。
お顔は上記の立像のほうが断然好みじゃがの(ごめんなさい~・逃)
【第3章:大阪・四天王寺の1400年 ― 太子が建立した大寺のあゆみ】
四天王寺の1400年を、その名宝とともに紹介。
《菩薩半跏像(試みの観音)》◎ 大阪・四天王寺
年に1度、2日間だけ御開帳される秘仏。
金色の半跏思惟像。思うたより小さくて驚いたが、本尊の救世観音像の試作として造られたからなのじゃな。
《救世観音半跏像》◎ 京都・三千院
飛鳥時代の観音像を鎌倉時代に模して制作。優美なお姿。
《如意輪観音坐像》奈良国立博物館
赤く染めた木材に緻密な截金。美しいお顔じゃ。
《銀製舎利塔・金銅外容器》◎ 大阪・四天王寺
緻密な唐草文様が美しい銀の舎利塔と、珍しい形の容器。
舎利は、ガラス球の中の筒状の容器に安置されておりまする。
《阿弥陀三尊立像(閻浮檀金弥陀)》大阪・四天王寺
《銀鍍金光背》◎ 大阪・四天王寺
阿弥陀の光背が細密で綺麗。
そして、小さな両脇侍が優美でカッコ良く、たいそうツボ。
8頭身以上ありそうなスラリとしたお体と麗しい小顔、衣装も緻密で美しい。
お持ち帰りしたい・・・(こらこら)
《千手観音二天箱仏》◎ 大阪・四天王寺
蓮華座に坐した千手観音と、扉の持国天・増長天を、それぞれ白檀の一材から緻密に掘り出し、小さな箱形に貼り付けてございます。
【第4章:近代以降の聖徳太子のイメージ…そして未来へ ― つながる祈り】
近・現代の太子のイメージとゆかりの作品。
《日本銀行券》東京・国立印刷局 お札と切手の博物館
1万円札はやっぱり聖徳太子が良いのぅ。
《日出処の天子 月(『LaLa』1980年5月号 扉》山岸凉子 作
《日出処の天子 鎧(『LaLa』1980年7月号 扉》山岸凉子 作
大好きな『日出処の天子』のカラー原画の美麗さに、心の中でひれ伏したのじゃった。
特に《月》が観られて満足じゃが、展示替えも全部観たかった~(号泣)
《日出処の天子〈完全版〉》山岸凉子 作
展示のモノクロ原画8点のうち6点が、厩戸王子が笛を吹くシーン。
この笛は、第1章に展示の《龍笛・高麗笛(京不見御笛)》に相違ない。ワクワク
《聖徳太子童形半跏像》松久宗琳佛所 作 大阪・四天王寺
聖徳太子1400年御聖忌に合わせ、2021年に制作された最新の太子像。
鮮やかな彩色でたいそう華やか。
《舞楽面 蘭陵王》◎ 大阪・四天王寺
蘭陵王は中国・北斉の王。あまりの美貌ゆえ敵に侮られぬよう、恐ろしい仮面をつけて戦に臨んだそうな。
どれほどの美貌だったか、会ってみたいものじゃ。
バリ島の仮面を思わせる面は、頭上に龍が乗っており、目がまんまるで恐ろしさは感じぬのぅ。
《四天王寺舞楽所用具 胡蝶 羽根》◎ 大阪・四天王寺
《四天王寺舞楽所用具 胡蝶 袍》大阪・四天王寺
太子の命日を偲び、四天王寺の聖霊会で奉納される舞楽『胡蝶』の装束。
羽根は、桃山~江戸時代の作で革製。背中につけるのじゃ。
袍は、2001年の作で萌葱色の地に蝶と窠文の刺繍。
ショップでは、第4章に展示の山岸凉子《日出処の天子 月》を元にしたオリジナルグッズもございました。
6階では映像を見る事ができまする。
6階のお写真撮影コーナー。
観応えある展覧会でありました。
やはり昨年のうちに行って、展示替えも観るべきじゃった。無念でござりまする。
会期は1月10日まで。
★おまけ画像
元日に一気に食べたゴディバのショコラシュトレン。甘さは控え目(涙)