前回のブログの続きでございます。
この日はもうひとつ、文化学園服飾博物館「魔除け 見えない敵を服でブロック!」を観ましたのじゃ。
https://museum.bunka.ac.jp/exhibition/
古今東西、人々は「魔」から身を守る為、衣服に魔除けの文様を表したり、装身具で結界を築くなどしてきたのでございます。
本展は、日本と世界各地の民族衣装や装身具を展示し、魔除けや招福の役割を探るというもの。
わたくし以前にも当館で「魔除け」の展覧会を観ておるし、他の美術館やギャラリーでも、背守りやアイヌの衣装や中国少数民族の衣装の展覧会などで、衣服の様々な魔除けを観ておりますが、やはり興味深いテーマで楽しゅうござります。
構成は以下の通り。気になった衣装なども少し書いておきまする。
(出品リストがないゆえ、書き間違いがあると思うがの・汗)
【第1室:「魔」を遠ざける 「魔」の侵入を防ぐ 「魔」をまどわせる】(2階)
★「魔」を遠ざける
「魔」が苦手とするものを身に着けるのじゃ。
鏡など光を反射する素材や、揺れる事で音が鳴る衣服や装身具、強い香りを発する装身具など展示。
《男児用衣装》インド 1970-80年代
小さな黄色ジャケットと緑色パンツに、花や寺院など吉祥モチーフの刺繍やミラーワークがみっしり施され、子の安全を願う親の気持ちが見えまする。
余談じゃがお供のEも、ミラーワークと刺繍が施されたインドのスカートなど持っておるが、「魔」を遠ざける為に着ねばのw
《犬筥》日本 19世紀後半-20世紀初頭
魔除け玩具やゆりかごなどありまして、日本からは犬筥が。
雛人形の展覧会などでもよく見られる犬の形の対の箱で、子供の健やかな成長を願うお守りなのじゃ。
《装身具:首飾り》パキスタン北部 1970-80年代
スパイスとして有名なクローブ(丁子)と、ビーズを連ねたネックレス。
丁子の香りは「魔」を遠ざけるそうな。わたくしも持ち歩こうかのぅ。
他にも装身具では、揺れて音が鳴る耳飾りやベルトや足輪などもございます。
そういえばお供のEが以前習っておったインド古典舞踊バラタナティヤムは、足首にグングルという鈴がずらりと付いたものを巻くため、ステップを踏むたび音が鳴っておった。
★「魔」の侵入を防ぐ
「魔」は衣服の開口部から侵入するゆえ、首元、袖口、裾などに結界を築くのでございます。
自分の目の届かぬ背面には、魔除けの模様や背縫いや糸印を施すのじゃ。
《ベスト》パキスタン 1970-80年代
男児用のベストで、背中に太陽のモチーフ、その下に「魔」を跳ね返す銀貨が並び、袖口や裾には結界の白ビーズと、「魔」の侵入する隙もありませぬ。
日本の子供の着物も展示されており、背縫いや糸印が施されておるぞよ。
装身具では、「魔」を跳ね返す銀や貝、邪視に対して効力を持つ三角形のモチーフなど。
後頭部から「魔」が侵入せぬよう模様を施した帽子もございます。
★「魔」をまどわせる
虎、サソリ、ムカデ、蛇などのモチーフの衣服や装身具を身につける事で、強い動物を憑依させたり力を借りるのじゃ。
また、複雑な模様の中に「魔」を迷い込ませたり、「魔」を吸い取る黒い色の中に閉じ込めようとしたりなど、色々考えるのぅ。
[虎で「魔」をまどわせる]
中国の神獣である虎をモチーフにしたもの。
《靴》中国 20世紀後半
《帽子》中国 20世紀後半
《頭飾り》中国 20世紀後半
子供用なのかどれも小さくカラフルで、猫のように可愛い虎の顔のアップリケが施されておるが、かように可愛くて「魔」をまどわせる事ができるんじゃろか。
[蛇で「魔」をまどわせる]
毒を持つ蛇の力にあやかるのじゃ。
《上衣》台湾 20世紀初期
パイワン族男性の上衣。噛まれれば百歩も歩かぬうちに絶命するという百歩蛇が、黒地の上衣に緻密に刺繍されておる。
他にも、カエル+蛇、百足、孔雀、ワニなど色々ございます。
《頭飾り》フィリピン 20世紀後半
イロンゴット族の男性の頭飾りで、何と本物のサイチョウの大きなクチバシをそのまま使っておる。
《手ぬぐい》ウクライナ 20世紀初期
白地に赤い双頭の鷲。鷲は「魔」を脅かすそうじゃが、すっとぼけた表情が可愛い。
【第2室:魔除けの赤 祈りと願い】(1階)
★魔除けの赤
赤は特別な力を持ち、「魔」を払う力があるのじゃ。
《チャンイィ》中国 20世紀初期
(↑漢字表記もあったが、自分がメモした字が判別できぬ・滝汗)
黒の縁取りのある赤地に、蝶、蘭、梅など吉祥文様の刺繍が散りばめられ、華やかゴージャス。
《ドレス:ジャラディ》インド 1980年代
アヒル族の子供用ドレス。光沢ある赤い繻子地にミラーワークの刺繍が可愛い。
《ベスト》ルーマニア 20世紀半ば
トランシルヴァニア地方の鮮やかベストで、羊毛と赤く染めたレース風の革で、魔除けを意味するバラの花の刺繍みっしり。
装身具は、紅玉髄(カーネリアン)を使ったものが色々ございました。
★祈りと願い
「魔」から身を護る為、お守りを身に着けたり、衣服に護符の模様を表したり。
《ドレス:ビンダリ》トルコ 20世紀初期
紫の地に金糸の刺繍は、植物文様と3つのファティマの手。
[魔除けの「青」]
西アジア、特に砂漠地帯に暮らす遊牧民にとって、空と海の色は縁起が良いとされ、青いものを身に着けると邪悪なものから身を守れるそうな。
ラピスラズリやトルコ石、青いビーズ、ナザールボンジュック(魔除けの青いガラス)を使った装身具などが展示されておりまする。
[日本の守袋]
《懸守》日本 19世紀半ば
首から下げるお守りで、緑色の筒状のものと、赤い長方形のものが展示。
お守りにしてはけっこう大きいが、この後どんどん小型化されるのじゃな。
ほんの一部しか書かんかったが、世界各地の様々な衣装や装身具を、分かりやすいキャプションと共に観る事ができ、楽しゅうござりました。
会期は2月14日まで。入館料500円。ご興味ある方はぜひ。
さて、「魔除け」の前に、久々に都庁32階の職員食堂へ潜入したのでございます。
早めの時間に行くと、眺めの良い窓際のお席も選びたい放題じゃ。
写真ボケボケだけど、富士山やスカイツリーもハッキリ見えまする。
先に食券を購入するのじゃ。
本日のワンコインセットは「豆腐の五目炒め」で、おすすめセットは「ピラフwithクリーミーコロッケプレート」(690円)ですかぁ。
う~む、何やらヘルシーでイマイチそそられぬ(こらこら)
では、食べた事ない日替りカレーにしてみるかの。
オクラとチーズのキーマカレー(510円)、ご飯は白米と麦ご飯が選べまして、麦ご飯をば。
たっぷりな量が嬉しいのぅ。
お味は、クセのない優しいお味でありました。