お好み夜話-Ver2

はんごろし正伝

 むか~し、むかし、のことじゃった。

旅の尼さんが、とある村にさしかかった所で日が暮れてしまったのじゃ。
そこで尼さんは、ある家に一夜の宿を乞うた。

家の夫婦はありあわせのもので晩飯をつくり、尼さんをもてなしたんじゃ。
ところが尼さんが寝付くと、夫婦はヒソヒソなにやら話しだした。

「あしたは、どうすっぺか?」
「みなごろしにすんべ」
「うんにゃ、はんごろしのほうがよかっぺさ」
「んだなあ、やっぱ、はんごろしにすっぺ」
「んだんだ、はんごろしにすっぺ」
 
このやりとりを夢うつつに聞いた尼さんは、もうすっかり恐ろしくなってしまったんじゃ。

「このままでは、はんごろしの目にあわされてしまう・・・・・」

夫婦が寝静まったのを見計らい、尼さんはそーっと逃げ出した。
つぎの朝、夫婦は尼さんがいないことに気がつき、ガッカリした。

「せっかく、うまいはんごろしをごっそうしてやろうと思ったんに・・・・・」

これはある地方に伝わる、むかーし、むかーしのお話なんじゃ。
めでたし、めでたし。

えー、前回不確かな人づてに「はんごろし」のことを書いてしまいましたが、ここで訂正させて頂きます。

【「はんごろし」とは、主に徳島県那賀町で作られている、もち米にうるち米を混ぜたものを半分だけ潰して作った郷土料理の「おはぎ」である】

ということなのだ。
それからヒントを得てつくられたのが、長野県野沢温泉の名物「はんごろし」で、
これは、

【水分を半分ころした野沢菜漬の中に、唐辛子と専用のキムチの辛さと旨味がギュッと染み込んでいる】

生の野沢菜キムチ漬けのことなのだ。

そして、4月以降年間を通して食べることができる「はんごろし」は、加熱処理をして日持ちをよくしているものだということがわかった。
鮮烈で美味な「はんごろし」は今の時期しか食べられないのだ。
「みなごろし」というのは、もち米とうるち米を全部潰した「おはぎ」か、この加熱処理をされたものしかないのだ。

くそぅ、「スチャラカ」旦那と「番頭」さんの、不確かな情報を危うく鵜呑みにして流布してしまうところであった。
オヤジをなめんなよ !!

なめていいのはやっぱり「はんごろし」 heart スチャラカな経緯がわかったら、さらに辛旨ーい。

調子に乗って10袋ほど取り寄せちゃいました。
そのうちモグランポのメニューとして登場するかもね good

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