散歩の途中で・七夕の願い事

車で涼しい公園へ連れて行ければ良いのですが、

平日の散歩は決まって町中コース。

春・秋・冬は芝生公園まで歩いて、

ゆっくり散歩も出来ますが、

夏は、歩いて行く土手に日陰もないので、

うりつの散歩イヤイヤ症候群は益々加速します。

ちょうどこのマンション付近で会う女の子。

初めて、その女の子に会った日の事を良く覚えています。

ちょっと走って追いかけて来たようで、

「あ、ボーダーコリー」と、

嬉しそうに笑って声をかけてくれました。

「私の事知ってるんですか？」

「ワンワン」と言葉を覚えたての子は、
恐れを知らず近づいてきます。

少し大きくなって来ると、

好き嫌いがハッキリしてくるので、

うりつを怖がる園児が多いのですが、

この子は違いました。

「ありがとう、良く分かりましたね～」

そう言って私もうりつも立ち止まりました。

後ろからお母さんが、

「この子は、毎日、犬の本を読んでいるんですよ」と。

幼稚園へ通う女の子とお母さんに、
その頃は毎日会っていました。

最近、ちょっと時間がずれてしまい、

なかなか会えなくなりました。

９日の月曜朝の事です。

久しぶりに女の子に会いました。

自宅マンションの入り口付近で、

うりつを発見すると、ニコニコ笑って待っています。

一緒に写真を撮ろうとしたら、

ガウガウ吠え始め、

女の子は悲しそうな顔をして、

お母さんの後ろに隠れてしまいました。

「ごめんね、ホントは友達になりたいのに

怖がりなんだよ・・・」と謝ると、

「この子、七夕の日の願い事に、

『ワンちゃんに会えますように』って書いたんですよ」

お母さんが言いました。

「願い事が叶ったのですか？」

女の子も頷いています。

「最近会えなかったので。この４階に住んでいますが、
窓から、ワンちゃん行っちゃったって、
いつも残念がっていたんです」

「私の事、ずっと見ていたんですね」

女の子は手を振って、

うりつに「バイバイ」をしました。

七夕の日、願い事に書いてくれた事が、

とても嬉しかった私です。

そんな事より、

一緒に写真が撮れるといいな。

お願いしますよ、うりつ。

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