そして「漆でこんなことができるのね」と驚いてくださいます。
漆の艶だったり、色だったり、変わり塗りの技法だったり、はじめて見たという方も多くいらっしゃいました。
表現で優れていればそれこそ素材が何であるかなんて関係ないのだと思います。
けれど今回の作品には漆であることの意味も持たせていたのだから、主張すべきだったなというのが反省点です。
そんな苦戦する中でも、今回の展示でふたりの審査員の方に推奨シールというものを貼っていただくことができました。
そしてどちらの審査員の方も、漆であることを評価してくださいました。
「これからも漆で作品をつくっていくべき」
「仕上げのクオリティと、漆を現代アートに展開していこうという意気込みに共感した」
このように言っていただきました。
工芸としての漆の技術があった上でのアート表現がポイントだったようです。
結果として、今回のイベントではbiscuit galleryの小林真比古様より審査員特別賞に選んでいただくことができました。
本当にありがとうございました!
手探り状態の中、半年かけてようやく形になって挑んだイベント。
まだまだ自分の表現も未熟なところがありますし、課題もたくさん見えました。
けれど今できる全力でやり切ることができて、またこの意気込みを評価していただけたことは、とてもとてもありがたく、今後の自信にも繋がりました!
ずっと声と漆を組み合わせたいだの、デジタルと漆でサブカルチャーに挑戦したいだのわけのわからないことを言い続けてきましたが、ようやくやりたいことに一歩近づけたように思います。
漆で現代アート作品をつくられている方は実はたくさんいらっしゃいます。
その中でどういったテーマやコンセプトを持って制作しているかがやはり大事なポイントになってくるのかなと思いました。
今回は事前に作品説明を20秒でできるように考えておくこととオンライン講習会で説明がありました。
これには簡単なようでいてすごく頭を悩ませました。
そして作品の何を伝えたいかが実は明確ではなかったことに気がついたときには本当に焦りました。
なぜこのテーマにしたのか。
なぜこういった作品になったのか。
どこまで細かく説明すべきなのか。
考えの押し付けになってはいないか。
そもそも作品を通して何を感じてもらいたいのか。
言葉が難しくはないか。
漆であることの意味は何か。
初日、会場に向かうまでの道のりでもぶつぶつ呟いて練習しました。
しかし本番では全然うまくいきません。
説明を繰り返すうちにポイントはなんとなく掴めてきましたが、最後まで完璧と思える説明ができたかどうかは怪しいところです。
このこともとても勉強になりました。
今回の展示を通して、ここに書ききれないくらい多くのことを学ぶことができました。
足りない部分もわかりました。
一方でやはり自分の強みは漆なのだということもわかりました。
私の挑戦はようやくスタート地点です。
ここからゴールめがけて、まずは一歩前進できるように挑戦していきたいと思います!
次は凛九全員の作品を展示する10月の「凛の集い」展が待っています♪
その後にも12月には個人で参加する4人展を東京で予定しています。
引き続き応援していただけると嬉しいです!