東京オリンピックが始まり、熱戦が繰り広げられていた週末。
私はというと滋賀県にあるマキノ高原で開催された、MINIという車のイベントで暑さと戦っていました。
こういったイベントに参加するのは数年ぶり。
しかも今回は初めてフリマにも出店してみました。
車がメインのイベントなので、目的はみんなの自慢の車を見て「素敵ですねー」なんて会話を弾ませるのが楽しいわけですが、私は付き添いということもあり、ただボーッと座っているのもな……とフリマに参加することに決めたわけです。
そしてもうひとつは、そこに材料があったから。
実はこれが大きな理由だったりもします。
これまで漆を使った作品や商品をつくる上でいろいろと材料を買い込んでいた私。
しかし実験をしてみた結果、漆と合わないなと使うことなく終わってしまったものが多々ありました。
そういった材料たちは使われることなく眠っていて、かといって捨てるのももったいないので行き場をなくしていたのです。
フリマはその材料たちを生まれ変わらせるいいチャンスだと思ったのでした。
そういった理由から今回は漆作家としてではない、私個人での参加ということで思いきり好きなものをつくりました。
サボテンのブローチやガラスのパーツを使ったアクセサリー。
直前に参加を決めたこともあり、限られた時間の中だったので数はあまりつくれませんでしたが、ディスプレイを考えたりと楽しく準備ができました。
そして本番。
炎天下の中、小さな小さなお店を広げます。
あまりの暑さに、なかなか日陰から出て外を歩こうという気が起きないような状況でしたが、それでもありがたいことに何組か足を止めて覗いていってくれました。
百貨店で出店するのとはまた違った雰囲気の中、「今日はどちらからみえたんですか~?」なんてゆるっと会話を楽しみます。
合間合間に「普段は伝統工芸をしてまして…」「凛九というグループがありまして…」なんて宣伝を挟みつつ、心地よい時間が過ぎていきました。
次の予定があったので早めにイベント会場を後にしたのですが、片付けをしながら、ふと「数年前の私だったらフリマに出店しようだなんて思わなかっただろうな」と思ってふふっと笑ってしまいました。
好奇心旺盛なくせに、ビビりで小心者の私。
はじめてのイベントで知らない人ばかりの中、やったこともないフリマをやってみようなんて、おそらく緊張や不安の方が大きくて考えすらしなかったでしょう。
つい最近、凛九のリーダーである、伊勢根付職人の梶浦明日香さんに「まさこちゃん変わったね」と言われたことがありました。
その時には「そうかな?」なんて思っていたけれど、確かに少しずつ変わってきているのかもしれません。
そしてそれは凛九のおかげ。
凛九で活動していたから、展示をして作品を見てもらう機会ができて、凛九で活動していたから百貨店さんなどに出店して販売や接客をする経験ができて、そういった積み重ねが「チャレンジしてみよう」「一歩踏み出してみよう」という私の活力になっているのです。
出会いや環境が人をつくっていくんだなと改めて実感しました。
さて、次は何にチャレンジしていこう。
ワクワクが連鎖していくようなことをしたいな♪