カミツレふたつ

嵐さん、V6兄さん、スノスト、ときどきJr.くんたちのこと。映画、ドラマのこと。ちょっと嬉しかったこと。などなど。

梅雨前の清清しい午後に想うこと。

2018-05-22 14:51:25 | 映画
こんにちは、はなです。😊

とってもノスタルジックな、エモーショナルな、気分なので。小説チックに、今あったことを書きます。




世間では「パリピ」と呼ぶのだろうか。

世間では「普通の大学生」とカテゴライズされるのだろうか。

そんな普段はイケイケの殻を被る彼らも、純粋で、まだ子どもから大人への過程を歩んでいるに過ぎないと実感した。




都会のど真ん中にある大学で過ごす、そんな人たちとは溶け込めない、少し逸脱している大学生のわたしが、大学生活最後の1年に取っている授業がある。


「映画を見る」

ただそれだけの授業。


よく、講演で使われるようなホールに、800人はくだらない大学生が集まる。

いわゆる“楽単”だから。

4年でこの授業を取っている人なんて、パリピ・普通の大学生にはいないだろう。

大教室(もはや教室とは呼べないかもしれない)に集まるこの人たちが全員年下だと思うと、ハッとしたり、ホッとしたり。

映画を見る絶好の席はもちろん埋まっているから、前から2番目という、映画館では物好きしか座らない席に、互いの許可をとって座る。

そんな感じでのんびり100分を過ごしているのだ。



今日は『君の膵臓をたべたい』

言わずと知れた、住野よるさん原作の、タイトルにパンチのある小説。

あれだけ話題になったのに、そこそこ映画は見ているのに、わたしは世間で爆発的な人気があると逆に冷めてしまうところがある。

だから、内容はなんとなく知っていても映画館でも、DVDでも見てはいなかった。

学園もの、病気もの、、なんとなく想像はつく。からかもしれない。


ストーリーの冒頭はいたって平凡。ただ、穏やかな画質やセット、小栗旬の低音が響く感じが非常に心地良い。

そのあとの物語の進みも、学園もの、ヒロインが病気ものによくある展開で『映画館でこれを見たらどう思ったか』

そんなことまで考えてしまった。

あれは監督の演出なのだろうか。浜辺美波さんのゆっくりとした、何かを拓いたような口調は。クラスで人気の高校生がそのような話し方をするのか、いささか疑問だったが、物語が進むにつれてしっくりくるようになっていた。

ひたすらにかわいい。

何度も言うが、よくある展開で安心感も出てくる。この子(桜良)は病気で死ぬんだろうな、あの子(北村匠海くん、役名が飛んだ)と旅行して、幸せを噛み締めながらこの子は逝くんだな。つら。

と、思っていたが損。

あんなところに伏線が張ってあったとは。

衝撃だった。

人生ってそう簡単にいかない。シナリオ通りなんて絶対無い。

シナリオありきの映画で、まさかこう思えるとは思ってもみなかった。

あんまりにもあっさり、ばっさり、一瞬だったけど。きっとそういうことなのだろう。



……………


3つも年下の間に挟まれながら、わたしはどっぷり物語の世界を生きていた。

口はだらしなく開いている。

恥ずかしい………

だが、ふと横目をちらつかせると、さっきまでパリピ全開だった女子が、タオル片手に涙している。

シーンはちょうど、共病文庫を北村くんが取りに来て、1つ大人になったところ。

左に視線を動かすと、さっきまで割りと大人しくコンビニ飯を食べていた、黒ぶちメガネくんも画面を食い入るように見つめている。

そっと後ろに意識を集中させると、あらゆるところで鼻をすすっている音がする。



ぱねえ、やべえ、しかさっきまで言ってなかった彼らなのに。


これもまた衝撃だった。




わたしは感受性は豊かな方だと思っている。

辛くても、悲しくても、嬉しくても、感動しても。まるでお風呂の水が溢れるように、感情がいっぱいになると、『涙』でコントロールをする。

しかし、泣きたくないときに泣けて、泣きたいときに泣けないという、変な強がりな部分もある、気まぐれで、自分でもよくわからない体のつくりをしている。

だから、映画はその物語の世界にどっぷり浸かってしまうクセがあり、自分が物語の世界の中にいるような錯覚になるため、登場人物への感情移入が激しい。

今回も我を忘れていた。確かに。


だけど、いろんなところへ神経を研ぎ澄ませているうちに、感動しているのに、衝撃だったのに、なんなら泣きたい気分なのに、なぜか泣けない。

けど周りは男だろうが、女だろうが、友達がいようがいまいが、なりふり構わず泣いている。


なんなんだこの取り残された感じは。



1回気にしてしまうともう後戻りできない。物語の世界とは一線を画して、周囲と、映画を、ホールが明るくなるまで俯瞰することになったのである。




そして明るくなると、


お前らどんだけ泣いてんだよ

と思わず突っ込みたくなるぐらいの雰囲気だった。

感想であふれるホール内。先生のまとめなど誰一人聞いていない。


ああ、ピュアだなあ。まだ子ども心忘れてないんだなあ。所詮、強がりで弱い大学生なんだなあ。

と、親のような目線で彼らを見てしまった。

いつからこうなったのだろう。


わたしだって泣きたかった。

それよりお前らのピュアにやられた。


映画よりなにより、世間一般でカテゴライズされる『彼ら』は、見た目よりずっと面白いのかもしれない。


ただ、溶け込むのはわたしにはできない。


そう確認する、梅雨前の清清しい午後のこと。












おわり。





『君膵』めっちゃいい作品だったので、後日改めて感想も書けたらと。

いつになることやら。