3. High Energy Density (エネルギー密度の高さ) これは燃料1グラム当たりから発生するエネルギーの多さを言っています。一般に、核反応で発生するエネルギーは燃焼等の化学反応で発生するエネルギーの百万倍にもなります。ロッシ氏のE-Catでは僅かな量の水素とニッケルを消費しますが、燃料交換は半年に1回で済むとのこと。100グラムほどのニッケルを入れておけば、半年の間、数kW以上の熱を生成し続けるのです(但し、反応を起こすための入力電力は必要ですが、発電装置を付ければこれも賄えるようになるでしょう)。
4. New Economy (新しい経済) E-Catは最初の一歩に過ぎません。常温核融合による発熱・発電装置は、小型化でき、しかも、燃料補給を気にせずに、どこにでも設置できるようになるでしょう。これは、単に発電だけでなく、車や電子デバイスや宇宙開発といった様々な分野に大きな変革をもたらすでしょう。滅ぶ産業もあるでしょうが、幾つもの新しい会社や新産業が勃興すると期待しています。
5. Global Power Shift (世界的なパワーシフト) 今の世界は、石油のようなエネルギー資源を持っている国や、石油の決済通貨を握る国にどうしても金と権力が集まってしまいます。しかし、常温核融合が普及すれば、どの国でも誰にでも簡単にエネルギーを手に入れられるようになります。常温核融合による発電装置は小型化できるため、巨大な配電設備も必要ありません。小さなコミュニティが独自に発電所を持つことだって夢ではありません。これは私達の社会のありようを変えて行くでしょう。