ばりん3g

マイクラ補足 兼 心理学のつぶやき

「ないない絶対ない、ありえない」結局、ゲームが原因で人間は攻撃的になれるのか?

2023-08-26 | ゲーム

画像引用: https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/5331.html

ゲームの暴力的描写・ゴア表現が人間を攻撃的にするという主張は、初期のアーケードゲームが出始めたころから存在した。

アメリカのExidy社が発売した「Death Race」をめぐっての論争は当時の全国紙に載るほどの大騒ぎになった。一部のデモ参加者は筐体を壊すなどして訴えたそう、君らが暴力的になってどうするんだ。

FPSや格闘ゲームが流行した1990年代においても同様の論争が活発化した。ストリートファイターとかWolfensteinとかそのあたり。

現在この論争がどのように展開されているかはわからないが、「ゲーム 暴力的になる」とgoogle検索した結果、1ページ目に表示された記事のほとんどはこの主張を否定する内容の記事だった。主張自体は下火なのかな?

 

 

ググって出てきた記事のほとんどがそういうように、ゲームの暴力的描写・ゴア表現が人間を攻撃的にするという主張は間違いと言い切っていい。あったとしてもごく短期的なもの、長期的な影響は皆無だ。今までたくさんの人が研究してきたけど、これっぽっちも、影響は見られなかった。

また、ゲームの暴力的描写がプレイの楽しさに結びつくことはない。過激なゲームが楽しい理由は、過激な表現を使っているからではなく、ゲームの出来が非常にいいから。過激な表現が没入感を高めるという効果も存在するが、そうした没入感はまずゲームの出来が良くないと発生しない。Battlefieldシリーズがいい例だ。

続けて、ゲームによって起こされた攻撃性はプレイ時のフラストレーションが由来のものだ。誰だってうまくいかなかったら苛立ちを覚えるものでしょう? それ自体は普遍的な事象だ。近い主張としては競争に対する執念や闘争心が攻撃的な行動として表出することがあるという。

そして、もともと攻撃的な人が暴力的な描写を好む傾向にあるその人が持っている攻撃性などが暴力行為に直接関係するが、暴力的描写がそこにかかわることはなく、媒介効果もないとのことだ。攻撃的な人が暴力的なゲームを好むのであって、暴力的なゲームをしている人全員が攻撃的な人というわけではない、必要十分条件を見誤らないでほしい。

 

 

そもそも、なんでゲームの暴力的描写が人間を攻撃的にする、なんていう主張が出回るようになったのだろう?

うまくいかなかったときの苛立ち、例えばアーケード台を殴りつけるさまとか奇声を上げるさまとかを見て、「うわっあの人、ゲームに対して怒っている…」という怪訝な感情がどんどん発展していった結果なのだろうか?

 

あと、ひねくれた主張として「ゲームが人間を攻撃的にする、という主張を掲げる人が非常に攻撃的なためこの主張はある程度の整合性がある」というものがある。

一見するとゲームを理由に攻撃的になっているため肯定できそうだが、そういう人はもとから異常なため棄却される。嫌味としてはハイクオリティだがな。

 

 

参考文献

Ferguson, C. J., Rueda, S. M., Cruz, A. M., Ferguson, D. E., Fritz, S., & Smith, S. M. (2008). Violent Video Games and Aggression: Causal Relationship or Byproduct of Family Violence and Intrinsic Violence Motivation? Criminal Justice and Behavior, 35(3), 311–332. https://doi.org/10.1177/0093854807311719

Przybylski, A. K., Deci, E. L., Rigby, C. S., & Ryan, R. M. (2014). Competence-impeding electronic games and players’ aggressive feelings, thoughts, and behaviors. Journal of Personality and Social Psychology, 106(3), 441–457. https://doi.org/10.1037/a0034820



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