2021年に発表された論文によると、人間は自分には時間がないと認識することで好奇心が低下することが分かったそう。
理屈としては、人間は「自分には時間がない、余裕がない」と認識することで、感情を起因とした行動を優先するようになるからだという。
人間は「自分には時間がない、余裕がない」という不安を抱えると、それを解消するために奔走し始めるのだ。金銭的余裕がないから浪費するような、そんな感覚。
余裕がないことを言い訳に、長期的な目標の起点になる好奇心に背を向ける。金銭的余裕がないから貯金せずに浪費するような、そんな感覚。
余裕がないという思い込み(もしくは事実)は、それなりに人を狂わせる。経済面の題材で説明したほうがわかりやすいが、好奇心にもこういった影響があるのだ。
ちなみに、もともとの論文の題材は加齢と好奇心の関係を調べたものである。
結果としては、加齢と好奇心は「自分には余裕がない」という思考を介することによって負の相関を形成するとのこと。
「年齢を重ねるごとに、好奇心は薄れていく」は適当ではない。
「余裕がなくなるほど、好奇心は放っておかれる」のだ。
参考文献
Li Chu, Jeanne L. Tsai , Helene H. Fung (2021) Association between age and intellectual curiosity: the mediating roles of future time perspective and importance of curiosity.
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