泡盛レーシング
 






充電器が動作しなかったため、中途半端な状態で運用していたバッテリー電源を組み上げました。


今回、製作しました自作リチウムイオン電源は、市販のバッテリーセルでは充電の度に充電器に接続しなければならない煩わしさ、これを無くすために製作しました。スイッチ一つで充電できるようにしたかったのです。
加えて、市販のバッテリーセルではバッテリーと直列に接続されるスイッチングFET、これを高音質な物にする。コンデンサも同様に高音質な物にすることで、電源からオーディオシステム全体の高音質化を図ることも目的の一つでした。

しかし、当初はリチウムイオン電池充電用のLSIを使用して充電回路を組みましたが、動作せずw。
結局、原因は分かりません。僕は回路図どおりに組むのには自信がありまして、金田式でも回路を間違えてヒューズを飛ばしたりという事はほぼ“0”です。何度も回路を見直し、予備のLSIと交換もしましたが、原因は掴めませんでした。
打つ手なし、っと言うことで、以下の画像のようなLM317Tによる電流制限をかけた充電回路を作成しました。





充電回路の概要としましては、LM317Tの仕様書の例にある、電流制限をかけた充電回路に最低負荷電流を補償する負荷抵抗を付加したものになります。そのLM317Tによる充電回路をリレーシーケンスによるタイマ回路でON/OFFする、シンプルなものです。
シンプルと言っても、それは回路図の上であって、実際にケースに収めるとなると場所を取ります。古色蒼然な制御回路です。

自作リチウムイオン電源のケースは、パワーアンプに乗っかっているのがソレです。作ってから気になったんですが、フロントパネルがのっぺらぼうに見えて好きになれないので、押しボタン式に変更予定です。押しボタンは自照式のNKK製LP01にする予定です。製作上の都合で、この充電器には現状でリセットボタンがありませんw。

充電回路の動作としましては、充電初期には設定した最大電流値に近い電流(約1.2[A])で充電し、その後バッテリーセルが設定した電圧(8.35[V])に近づくにしたがって充電電流が低くなっていきます。
そして、充電動作はタイマで設定された約3時間で強制終了します。

リチウムイオン電池に欠かせない、保護回路に関しては変更ありません。
抵抗はニッコーム、コンデンサはニッセイAPSで、スイッチングFETは2SK2554です。写真では生セルに隠れて見えない格好です。生セルの下に基板を配置しております。
スイッチングFETに関してはSiCを使いたいところですが、現状のSiC MOSFETはRDSが高いので使いにくいです。しかし、ROHM社の最新SiC MOSFETの中にはRDSを22mΩに改善したものがあり、もう間も無く販売されるようです!価格次第ではありますが、是非試してみたいところです。


若干の問題は放熱です。
放熱孔を開けた方が生セルに対しては優しいのでは?と思われる程度に“体感で”温度上昇しています。
埃や湿気が入ってくるので、ケースに孔は開けたくないのですが・・・。

現在、エージングが進んでいる状況ですが、音質もさることながら、利便性が最高です!
AC電源のように、電源スイッチをON/OFFするだけ、とはいきません。でも、電源セレクタスイッチで充電側を選択して充電開始スイッチを押すだけで勝手に充電し、勝手に充電終了します。


音質も改善しました。
市販のリチウムイオン電池は、ニッケル水素電池の中では最も音質に優れるエネループより、高いS/Nとハイ・コントラストを提供してくれます。

しかし、市販のリチウムイオン電池には冷たい印象がありました。
それは、シンバルの打音が真鍮であるはずなのに、真鍮にステンレスが混じっているかのような冷たさ。あるいは、ボーカルの声を拾うマイク、このマイクのケースやメッシュを意識してしまう傾向。
そのような冷たい印象を補正するため、必要としたのはカーボン抵抗のリケノームRMAでした。
長い間、カーボン抵抗で音の冷たさ、硬さ、リンギングのように感じるノイズ感に対処してきました。ですが、もうその必要はなくなり、カーボン抵抗は一箇所だけ、高域chのパワーアンプに帰還抵抗としてリケノームRMAを残すだけです。
スイッチングFETに最適なSiC MOSFETが得られたなら、僕のパワーアンプからカーボン抵抗は無くなり、反転、解像度を追い求める方向にパーツ選択が切り替わるかもしれません。



でも、取り敢えずオーディオシステムは現状で固定できる仕上がりです。
音楽鑑賞や仕事などに精力を向かわせます。

コメント ( 3 )
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コメント
 
 
 
改善 (Nong-Khai)
2016-05-12 17:10:35
随分と改善が進んでる様で安心しました。
そして配線の結束が綺麗になりましたね。
市販リチュームセルにタイマーの組合せってのも魅力的に感じました。
 
 
 
お褒め頂きありがとうございます (シオーヤ)
2016-05-12 21:58:32
配線の結束は、元・盤屋ということを考えるとお恥ずかしい限りですw!
無理な部品配置なので、組み上げの際に配線の余長を取るため、この様になっています。オーディオ的に配線は等長、静電誘導を避けるために結束は出来るだけ避けています。
 
 
 
Unknown (シオーヤ)
2016-05-12 22:06:09
市販リチュームセルは保護回路が内蔵されていますから、自作マニアの方が僕の充電回路を製作されても安全は確保されますね。
需要は無いかも知れませんが、回路図をUPしたいと思います!
 
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