5年ぶりにNong-Khaiさんのメインシステムを拝聴する事となりました。
Nong-KhaiさんはオーディオシステムをALTECとJBLの2つ持っていらっしゃいます。
まずはALTECを試聴させていただきました。
5年前と違い、中域の288-16Kに組み合わされるホーンはマンタレイホーンのMRII564から311-90に、高域もJBL 2402からALTEC 902-8B(ホーン無)に変更されています。パワーアンプもヴィンテージ真空管を使用したPPアンプになっており、DACとプリアンプはバッテリー駆動の金田式改が加わっています。(注:Nong-Khaiさんのシステムの詳しい情報は左サイドバーのブックマークにある「ようこそ、自由の世界へ」を訪ねてください。)
以前の刃物の様なキレは抑えられて、変わりに“実在感”が増したのが全体の印象でして、これが真空管の半導体に勝る部分なのでしょうか。真空管とはいっても、一般的に真空管アンプのウィークポイントに挙げられる駆動力の無さやS/Nの低さは感じられません。出力トランスが入っているのか疑わしくなるほどにダブルウーハーのフロントロードホーンを駆動していました。
そのようなスピーカー前段の変更に加えて、スピーカーセッティングも煮詰められていたようで、全帯域で統一感のある絶妙なバランスに驚きました。
続いて、JBLも聴かせていただきました。
スピーカーシステムは高域がJBL 2403、中域がJBL 2441+2350、低域がJBL 2226をALTEC 930という612よりも小振りなエンクロージャーに収めた構成です。これをマランツのCDプレイヤーとナカミチのDAC、パワーアンプはアムクロンのPSA-2、そして金田式パッシブチャンデバで駆動しています。
JBLらしい高解像度でワイドレンジ。荒々しくも繊細で、キレがあり、若干の中域の粗さと押し出しが味のあるサウンドです。
このシステムは僕にとって非常に参考になしました。中域に対して低域が力不足な構成でバランスをとられている部分は僕のシステムと共通する部分なのですが、高域の使い方が異なりました。3WAYと2WAYの違いです。
Nong-KhaiさんのALTECとJBLを聴き、教えてもらったのはバランスでした。
金田式の自作機器を増やしていって、改良によるセッティングも加えて、なおも残る不足感。
それは2WAYに固執するがために、高域の不足感を補おうとする不可能に対する挑戦だったかもしれない・・・っと、引導を渡された気分でした。
一つは、Nong-Khaiさんの311-90ホーンと僕の311-60ホーンのキャラクターの違いです。
311-60はやはりALTECの異端児で、押し出しとキレがある中域ホーンです。高域は補正したとしても、中域に対してパワーバランスを誤魔化すことは出来ても、クウォリティが劣ってしまいます。高域を出そうとすると、ハイエンドの伸びが出せないのです。
一方、311-90は中域はALTECの中でも優等生の部類に入るもののようで、極めてニュートラル。聴感でもカタログスペックでも2WAYで満足出来るセッティングが可能なように感じます。
っということで、僕はTOP画像のJBL 2403を購入するに至りました!
JBLと思えないようなニュートラルで癖がないままハイエンドまで伸びていて、かつ細くない音。ALTEC 288H+311-60に近いキャラクターに感じられました。
5年前もそうでしたが、Nong-Khai邸を訪れた直後に不思議な出会いが訪れますw!
お忙しい中の貴重な休日を割いて頂くと共に、望外のご教授とおもてなしを賜り、感謝の言葉もありません。
Nong-Khaiさん、有り難う御座いました。m(_ _)m
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共に純粋ホーン型で2inchスロートドライバーと組み合せる事の出来る数少ないツイーターです。
但しエージングに果てしない時間が掛かりますが、音楽を楽しませてくれるユニットでハイレゾだと本来の威力を発揮しますよ。
只副作用も大きく、高域補正を掛けても無駄で、ツイーター追加は必須事項になりました。其処で902の再登場に至った訳です。
どうもありがとうございます!お楽しみいただけて幸いです~。
>Nong-Khaiさん
2403はウエストレイクのスタジオモニターに供給していて、自社のスタジオモニターに採用例が無く、コンシューマのランサーシリーズに採用している辺りに何か特別な事情がありそうですね。
2402を貸していただいて、その時に鳴らした印象からは2403がこれ程素直な音だとは想像出来ませんでした。素晴らしいツイーターですね!
旧型振動板の件はなるほどです。
もっと時間に余裕を取って訪問させていただき、じっくり鑑賞させてもらいたかったです。
私は、シオーヤさんたちが、私がまだ聞いたことがない
「ハイエンド再生」を実現するのではないかと期待しています
詳しく調べてみると「ハイエンドオーディオ」という言葉自体は、オーディオを使って三次元の実物大空間にあたかも現実の演奏者が「いるかのように」音楽を再生する。という「思想」のことらしいです
当然いろいろなアプローチがあって然るべきでしょう
超高額オーディオの中に「ハイエンド」をうたうものがあるのは「ハイエンド再生を目指して作った」ということなのでしょう
日本においては超高額オーディオを指す言葉になったようですが、それでは救いがありません
私がシオーヤさんに注目しているのは、そういう理由もあります
さて、前回は、カイザーさんの話をさせていただきました
耳のいい人に、相変わらず散らかった部屋なのに、何で音が良くなったのかわからないと言われました
カイザーさんからは、このままの状態でしばらく聞いていけば化けるよといわれてます。今日になって音楽のニュアンスは維持したまま、キレが増強された感じを受けます
私の持ってるアンプは、マランツの安物ですが、ある人物が「高回転型」にチューニングしたものです
DACはX-DU1という、たぶん音楽性よりリニアティを追求したものです
その上で、ケーブルが「ラダー式」という、S/Nは高いけどやはりスピードやキレを重視した「抜けのよいエキパイ」のようなものだったため、シオーヤさんは私のシステムを「キレがある」と評して下さったものと思っています。
私自身もスピードのある曲が好きなので、そういう傾向に走っていったのでしょう
ただ、カイザーさんにとっては「カックンブレーキで余韻や付帯音が死んでいる(制動の効きすぎ)」のように思われたようです
カイザーさんは、確かにオカルトチックな手法をお使いですが、私なりの考えでは「西洋医学に対する針灸師」なのではないかとおもいます
「ツボ」とかは医学的な解明はされてませんが、確かに存在し、効き目もあります
しかもこの技術は一子相伝でもなく、一代で終わりそうです
「音楽は生活の中にあるものだ」という考え方から、専用室でなくても鳴らしてみせる。とお考えのようで、私の事例に関する限り、実行されたといえるでしょう
再生のニュアンスと実在感が増え、空間が音楽を鳴らしているという方向に変わりました
シオーヤさんおたずねの「ケーブルだけ戻したらどうなるか」というご疑問ですが、スピーカーのセッティングがタイトになっているので、ちょっとできそうにありません
ただ、予想しますに、駆動力も制動力もピーキーになるような気がします
キレは強くなりますが、音楽の微細なニュアンスは後退するのではないかと思います
正直なところを言えば、スピードが遅くなるという変化は起きてないかと思います
私の場合は、自分で機器の性能を引き出す技術がなかった(加えて部屋の制約もあります)ため、カイザークリニックの門を叩きましたが、シオーヤさんたちは、おそらく自力でそういうことができるのではないかと期待しています。カイザー氏も経験値だけでレベルアップしたのでしょうから
ブロガーとしては読んで下さる方に更新が遅い、少ない、引っ張るな!などとフィードバックがある事は大きなモチベーションです。
ありがとうございます!
ハイエンドオーディオという思想、納得しました。
ハイエンドオーディオとは、オーディオの理想を単語にしたものだったんですね。そうしますと、僕などにとってハイエンドオーディオは遥か地平線の彼方です。
峠を越えて、駆け下りる時に近づけた様な気にはなるが、駆け下りてみたらまた次の峠が現れ、その峠の頂に音楽の理想が見える。僕のオーディオは常にこの繰り返しです。一喜一憂しているだけかも知れませんw。
カイザーさんのお仕事には、純粋に興味が沸いております。
低域を受け持つALTEC 816エンクロージャーのスタンドは250mmの三寸半角の杉ですが、木目から上下よんで使っています。この度JBL 2403を導入したのでホーンスタンドを自作しなければならなくなったのでオカルトチックな手法を盗めないかと企んでいましたw。
スピーカーケーブルの件、なるほどです。
ビフォアよりアフタの方が音圧レベルやマイク位置も?違ったこともあって、スピーカーケーブルの音質差が気になってしまいました。
失礼しました。