Zoomで地球・人間環境フォーラム主催の緊急セミナー「韓国政府がバイオマス発電への補助金を停止・削減~日本の政策に求められることとは?」に参加した~
昨年12月、韓国では「2025年1月以降の全ての新規バイオマス発電所及び既存の国営混焼発電所への補助金の停止」「既存のバイオマス発電所への補助金の段階的縮小」といった大幅な政策変更が行われたという。韓国のHansae Song氏から政策変更の背景、影響、今後の課題等の報告があった~
また、Roger Smith氏からは米国での木質ペレット生産による大気汚染など、ペレット生産のエンビバ社倒産の原因や日本商社にもたらした影響なども詳しい説明があった~
飯沼佐代子氏からは、日本のFIT(再生可能エネルギー固定価格買取)制度からバイオマス発電による木質ペレット輸入が急増(2012年約7万t → 23年約580万t)している現状など、、
セミナーの詳細は、
資料やアーカイブ動画も公開されている、、、、
セミナー開始前、
今朝、たまたま電氣新聞では、日本では、FIT(固定価格買取制度)・FIP(フィード・イン・プレミアム)制度の支援を受け、導入された再エネ電源のバイオマス発電が、支援期間終了後に火力発電へ転換したり、事業を廃止したりする事態の抑止に向けて、エネ庁が対策を講じる方針を示したという報道、、(参考「バイオマスから火力への転換抑止/エネ庁、支援終了後で指針」)←しかし、ど素人が考えてもそんなことわかりきっていた。FITがあればこそ、、どんどん異業種からのバイオマス発電事業への参入があったのだから、それが終了すれば採算性が悪ければ撤退する。
エネルギー政策、
木質バイオマス発電の位置づけも、韓国と日本ではかなり隔たりがある、、
韓国の再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準(RPS)は、REC(再エネクレジット)の付与を通じてバイオマスを補助。RECは3年ごとの見直しで昨年が見直しの時期、
とは言え、韓国でも建設中の発電所と事業許可承認済みの発電所計画は、新規バイオマス発電所の適用から外れ、補助金の停止はない。また、国産の林地残材は引き続き高いREC 加重を受ける。ということで、今後は、国産木材の木材産業の競合など課題はある、、
日本も韓国も木質バイオマス発電の木質ペレットの大部分を輸入に頼っている。輸入元での森林破壊、森林減少、森林認証偽装問題など様々な問題がある。
そもそもの、バイオマス発電が再生可能エネルギーという位置づけも、森林の伐採、輸送、加工、輸送、発電所での焼却、トータルでのCO2排出で「カーボンニュートラル」というのも問題多し、森林そのものの価値はより大きいのではないか?
日本の大型バイオマス発電所でも、たびたびペレットの爆発や火災事故など起きているが、、今日のニュースでも「タイ北部、バイオマス発電所で火災発生! 1,000トンの圧縮ペレットに引火」と、、
日本の「固定価格買取制度(FIT)」
買取価格・期間等|FIT・FIP制度 - 資源エネルギー庁
以下、地球・人間環境フォーラム HPからそのまま転載
1/20(月)開催 緊急セミナー「韓国政府がバイオマス発電への補助金を停止・削減~日本の政策に求められることとは?」
日本と韓国は、再生可能エネルギー政策の一環として木質バイオマス発電を強力に進め、輸入木質バイオマス市場として急拡大してきました。
韓国では「再生可能エネルギー証書(REC)」によって、バイオマス発電が太陽光や風力よりも大きな補助金で支援され、10年間でバイオマスの発電量が42倍に増加し、その燃料の多くをベトナム、マレーシア、インドネシアなどの東南アジアとカナダ、ロシアからの輸入に頼っています。
昨年12月、韓国では「2025年1月以降の全ての新規バイオマス発電所及び既存の国営混焼発電所への補助金の停止」「既存のバイオマス発電所への補助金の段階的縮小」といった大幅な政策変更が行われ、世界の関係者らを驚かせました。
韓国の気候NGO Solutions for Our Climate(SFOC)はこれまで、RECにバイオマス発電を含めることの妥当性や、バイオマス燃焼からのCO2排出量を問う違憲審査・行政訴訟に関わってきました。
このセミナーでは、SFOCのHansae Song氏に、韓国がバイオマス補助金の停止・削減に至った背景と内容、バイオマス発電を推進し続ける日本への示唆をお話しいただきます。また、世界と日本のバイオマス発電と再エネ政策の在り方を考えます。
※アーカイブ動画(字幕無し)を公開しました。日本語字幕付きの公開は、後日を予定しております。
2024.1.20開催 緊急セミナー「韓国政府がバイオマス発電への補助金を停止・削減~日本の政策に求められることとは?」
日時
2025年1月20日(月)16:00-17:30(5分前開場)
開催方法
オンライン(Zoomウェビナー)
参加費
無料
お申し込みフォーム
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_Y_K9StIiR9SkXnhf-DSrsg
プログラム
- 開会
- 講演:Hansae Song氏(Solutions for Our Climate)
「韓国政府がバイオマス発電への補助金を削減:政策変更の背景、影響、今後の課題」 資料
※日英同時通訳付き
講演者プロフィール
Hansae Song氏(Solutions for Our Climate 森林・土地利用プログラム、プログラム・リード)
SFOCの森林・土地利用イニシアチブを率い、持続不可能なバイオエネルギーの段階的廃止と森林保全の支援に注力している。国連環境計画や外務省での経験を生かし、韓国における高炭素の森林バイオマス発電や作物由来のバイオ燃料の削減に取り組んできた。また、森林リスクのある商品のサプライチェーンに関する対話の形成や、東南アジアにおける韓国企業による森林伐採の監視などにも携わる。アラスカ大学フェアバンクス校で野生生物学と自然保護を学び、現在は米国アラスカ州在住。
Solutions for Our Climate(SFOC)の紹介
Solutions for Our Climate(SFOC)は、世界の温室効果ガス排出削減とエネルギー転換を加速するために活動する独立の非営利団体である。SFOCは調査、訴訟、コミュニティ・オーガナイジング、戦略的コミュニケーションの力を生かして、実践的な気候変動解決策を提供し、変革のための運動を構築している。
主催・お問合せ
一般財団法人 地球・人間環境フォーラム (担当:鈴嶋・飯沼、E-mail:event[a]gef.or.jp)
協力
ウータン・森と生活を考える会、バイオマス産業社会ネットワーク、Mighty Earth、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)