高濃度PCB廃棄物の期限内処理促進のため、東京都内での保管場所からJESCO東京事業所までの収集運搬にかかる費用の一部を助成します。
東京都環境公社「東京都高濃度PCB廃棄物収集運搬支援事業」から
東京都は、高濃度PCB廃棄物の期限内処理の達成に向けて、高濃度PCB廃棄物の収集運搬等に要する費用を助成する事業を開始する。
PCB保管事業者は、長期の保管をするだけでも大変なことだった、、、その上、処理費用に収集運搬費用も保管者負担だから、、、決して処理費や運搬費が負担で放置するようなことが無いように、支援してほしい。
本来なら、、、PCBの製造者責任、PCB使用機器製造企業の事業者負担で行うべきもの、、、それら生産者責任は曖昧なままで、、、結局は、その製品の使用者が長期の保管、処理責任を負うことになってしまって、、、そして「PCB廃棄物処理基金」も国や都道府県の歳出で、、都道府県は微量PCBの分析費用などの助成も、、、
東京都環境局
2017年08月31日 環境局, (公財)東京都環境公社
高濃度PCB廃棄物収集運搬支援事業の開始について
このたび、東京都では、高濃度PCB廃棄物の期限内処理の達成に向けて、高濃度PCB廃棄物の収集運搬等に要する費用を助成する事業を下記のとおり開始します。
記
1 支援事業の概要
(1) 助成対象者
都内において高濃度PCB廃棄物を保管している中小企業者等
(2) 助成対象経費
中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)東京PCB処理事業所へ搬入する高濃度PCB廃棄物の収集運搬等に要する経費
(3) 助成率
- 中小企業者等・・・対象経費の50%
- 個人等・・・・・・対象経費の95%
※助成限度額あり。限度額は「廃棄物の種類」等により異なります。
(4) 事業期間
平成29年8月31日から平成34年3月31日まで
2 申請手続き等
少し古いデータだが、(最新の詳細は~)
(再掲)
PCB特別措置法で処理期限が大幅延長となって、、、
PCB廃棄物処理基金の拠出割り当てがどうなるのか気になる~、、
当初は、平成12年度、中小企業者が保管しているPCB廃棄物に係る処理コストを概ね1.160億円と見積もった上で、中小企業者の自己負担額を600億円、残り560億円を国及び地方公共団体で平成26年度末までに案分して見込額を出していたが、、、
■PCB廃棄物処理基金のしくみ(環境再生保全機構HPより)
PCB廃棄物処理基金は、国、都道府県からの補助金と産業界等民間からの出えん金で造成されています。この基金は、環境 大臣が指定した処理事業者に対し、中小企業者等が保管するPCB廃棄物の処理費用の軽減及びPCB廃棄物処理の研究・研修等の促進を目的として助成を行い ます。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金の状況(平成28年3月31日現在)(PDF、1.27MB)
環境再生保全機構HPに拠出金の内訳↑↑など詳しくでていたのでグラフにした~
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金の状況(平成28年3月31日現在)
①補助金(国): 25,900,000,000円
②補助金(都道府県):25,375,758,000円
③民間出えん金: 480,800,000円
④運用収入: 1,760,284,541円
⑤助成事業: △14,935,256,772円
⑥消費税・戻り分: 20,525,787円
PCB基金残金: 38,602,111,556円 ←残金386億円もあるのだ!!
詳細は~
●PCB廃棄物処理基金の拠出状況
残金が多くなって、、、民主政権の頃、事業仕分けでも話題に出ていたような
さすが、近年は拠出額は少なくなって、、、しかし、安定器や汚染物の処理が進めば助成額も増えるのだろうか?
民間出えん金の4億8千万円は(財)電気絶縁物処理協会(現在は解散して存在しない)、
80万円は㈱サンリブ (福岡県に存在するスーパーマーケット)
●PCB廃棄物処理基金の助成状況
PCB廃棄物の保管事業者が負担する無害化処理(中小企業者等の助成はあれど)
--PCB製造者責任は不問で--
多額の税金を使っての処理、そのPCB廃棄物の処理進捗状況は~
PCB処理技術ガイドブック(2005年8月改訂版)から
★PCBの性状・生産・用途
PCB(Polychlorinated biphenyl)ポリ塩化ビフェニルはビフェニル骨格に塩素が1~10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在する。市販のPCB製品では約100種以上の異性体が確認されている。異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性及び環境動態が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしている。PCBの構造を図1,1-1(省略)に、PCBの同族体と異性体を表1,1-3(省略)に示す。
PCBの有する種々の特性としては、化学的に安定、熱により分解しにくい、酸化されにくい、酸・アルカリに安定、金属をほとんど腐食しない、水にきわめて溶けにくい、絶縁性がよい。高沸点、不燃性等があげられる。
PCBはこのように有用な特徴を有する物質として、1929(昭和4)年に米国で最初に工業化された。国内製品PCB(カネクロール、KC)の物理化学性状を表1,1-4(省略)に、米国の主要製品であるアロクロール(Aroclor)の物性を表1,1-5(省略)に示す。
我が国でも1950(昭和25)年頃から使用されるようになり、1954(昭和29)年から国内でも製造されはじめ、1972(昭和47)年までに約59,000トン(t)が生産された。日本における生産量を表1,1-6に示す。
PCBの用途としては熱媒体、トランス・コンデンサ用の絶縁油、ノーカーボン紙の他、潤滑油、各種可塑剤、塗料、シーラント剤等に使われていた。表1,1-7にPCBの用途と使われていた製品銘柄を示す。
「 日本におけるPCBの生産量、輸入量及び用途別使用量」より作成
生産者又は用途
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生産・使用量(t)
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中止時期
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PCB
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三菱モンサント化成(株) |
2,461
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1972(昭和47)年3月 |
鐘淵化学工業(株) |
56,326
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1972(昭和47)年6月 | |
PCB使用製品
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PCB入り感圧紙 |
5,350
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1971(昭和46)年2月 |
塗料等の開放系用途 |
2,910
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1971(昭和46)年末 | |
コンデンサ等の電気機器 |
37,156
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1972(昭和47)年8月末 | |
加熱機等の熱媒用途 |
8,585
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1972(昭和47)年6月末 |
用 途 大 別
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製品例・使用場所
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銘柄*
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絶縁油
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トランス用
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ビル・病院・車両(地下鉄・新幹線ほか)・船舶などのトランス | KC-1000 AroclorT100 |
コンデンサ用
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蛍光灯・水銀灯の安定器用、洗濯機・ドライヤー・電子レンジなどの家電用、モーター用などの固定ペーパーコンデンサ、蓄電用のコンデンサ |
KC-300 Aroclor1242 |
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熱媒体(加熱と冷却)**
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各種化学工業、食品工業、合成樹脂工業などの諸工程における加熱と冷却、船舶の燃料油余熱、集中暖房、パネルヒーター | KC-300 サントサーム 400 | |
潤 滑 油
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高温用潤滑油、作動油、真空ポンプ、切削油、極圧添加剤 | KC-300他 | |
可塑剤
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絶縁油
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電線の被膜、絶縁テープ | - |
難燃用
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ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ゴムなどに混合 | - | |
その他
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接着剤、ニス、ワックス、アスファルトに混合 | KC-500 KC-C 600 |
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塗料、印刷インキ
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難燃性塗料、耐蝕性塗料、耐薬品性塗料、耐水塗料、印刷インキ | - | |
複 写 紙
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ノーカーボン紙(溶媒)**、電子式複写機 | KC-300(前者の複写紙) | |
そ の 他
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紙などのコーティング、自動車のシーラント、陶器ガラス器の彩色、カラーテレビ部品、農薬の効力延長材 | - |
* KCはカネクロール、Aroclorはアロクロール、主として両社のカタログによる。 |