若生りえ Jazz Songs & Diary

ジャズ歌手の若生りえがジャズスタンダードソングの歌詞やエピソードについて語る。
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日本のジャズセッションの原点!

2015年04月21日 | ジャンルを越えて ~音楽大好き!!~
みなさぁ~~~ん
こんにちはぁ~~~
今日はようやく雨も上がり、風もやみましたね!
春の嵐も、もういいよ!ってかんじですが

先日、御能を観てまいりました。
実は、今まで機会がなくて興味はありながらも
お能は初めて
先月の平家琵琶の体験ですっかり和の魅力に虜になってしまいましたが
関係者の方から「お能はモダンジャズですよ!かっこいいですよ!」
とすすめられたのでドキドキワクワク!!

日本のモダンジャズということ?
どういうことだろう!

最初にその日の演目『葵上』のご説明をして頂き、
それからのスタート。

まずは袴をはいた、いってみれば合唱団のような人たちが歌い、
始まりを告げられました。

その歌が終わると、今度は入出場する出入り口にあたる
色とりどりのカーテンの奥から、お囃子が聴こえ、
その演奏が終わると、その演奏者の人々が登場。
その人々が舞台奥の真中に正座しました。

お囃子が終わってからの登場に、
これにもきっと意味があるのだろうな、と思いながら見ていました。

そしていよいよ演者さんの登場。
あの独特のすり足で、ゆっくりゆっくりと歩いてきます。

この日の演目は源氏物語の有名な一場面『葵上』。

光源氏をめぐり、正妻の葵上に侮辱されたことに耐え切れなくなった
愛人の六条御息所が、『生霊』となって正妻の葵上を
原因不明の病で復讐し苦しめる。(コワー
床に伏せてしまった葵上だが、なんの薬の効き目もなく、
とうとう祈祷師を呼び寄せ祈祷させることに。
その祈祷が始まると、それに怒った生霊の六条御息所は
それはそれは恐ろしい般若の顔になり、祈祷師に向かって
「そうはなるものか!」との勢いで激しく祈祷師と対決します。
数珠を合わせ必死にお祓いする祈祷師vs怒る生霊!の
すさまじい対決が繰り広げられ、最後には祈祷師の祈祷が効き、
無事に生霊を退治(浄化)する、というストーリー。

六条御息所の生霊のお面が、途中から般若の面になった時には、
「だから般若のお面なのかぁ~!」と初歩的なところで大感動ものです!

舞台の始まりの『静』に対し、後半の『動』への展開は醍醐味でした。

最初、静寂の中から『能面』をつけた演者さんが現れると
その後はもう、その一挙手一投足からじぃ~~~っと目が離せなくなり、
独特のセリフまわしが歌のように聞こえたり、
能面も角度で表情がすごく変わることにも驚いてみていましたが、
静から動へ一転の、般若と祈祷師の
舞台をいっぱいに使った対決の場面では
お囃子や掛け声も「イヨー!」「ハァッ!」に加え、
能管の音も、鼓の音も数珠のこすりあわせる音もすべてが激しくなり、
ドキドキハラハラ!

イヨォ!ポンッ!
ハァァッ!ポンッ!
ピュイーーーーーーー!
ピィヤァァーーーーー!
イヨォォッ!ポンッ!
ハァァァッ!ポンッ!
イヨォッ!ポンッ!
ハァァ!ポンッ!
ピュイーーー!
ピィィィィーーー!
イヨッ!ポンッ!
ハァッ!ポンッ!
イヨッ!ポンッ!
ハァァッ!ポンッ!!
イヨォォ!ポンッ!

はっ!これかっ!

関係者の方がおっしゃられていた
お能はジャズだ!
とおっしゃられていたのは!!

これはまさに
アグレッシブな
日本古来のジャズセッション!!

ちゃんとセリフや動きに合わせて
盛り上げていくので、
体の中心にビーンとドーンと響きます!

かとおもうと、
さっきまでの静寂がまるで嘘だったかのように
ますます動きも音楽も激しくなり、
無事に般若の心を鎮めることに成功します。

対決が終わると、今度はドタバタせず、
『床に伏せていた葵上』という設定をあらわす
舞台一番前の着物に一人の人が歩み寄り、
静かにそっとたたみ、もう床に伏せていない、
要するに、無事にことが収まったということを表し、終わります。

最後に、また袴をはいた8人ほどの合唱団の人たちが、
『生霊』などの内容も含めて、
舞台を清めるために歌を歌い、そこですべてが終わります。

いやぁ~、こんなにハラハラドキドキするなんて!
たのしかった~!
またぜ絶対に伺いたいと思いました。

楽しみはさらに終わってから!
関係者の方に特別に導かれ、
舞台の下で、ミニ御能講座をしてもらいました。

まず、この能楽堂に必ずと言っていいほどかかれている松。


影向(ようごう)の松といって、
春日若宮大社の一本松の前で
猿楽などの芸を披露したことから、
ほとんどの能楽堂にはこの松の絵が描かれ
お能が演じられる時にはこの松に『神様が降りてこられる』
といわれているんですって。
舞台の守り神様なんでしょうね。

そして、舞台中央のこの階段は普段は使われません。


この階段は、さきほどの松の絵に舞い降りた神様が
この階段を降りた真ん中あたりの客席でご覧になられている、
という設定で設けられているのだそう。

だだ、この階段も唯一、
能面をつけた演者の方があやまって
舞台から落ちてしまった時にのみ、
何事もなかったようにささっと上がり演じ始めるために
使われるそうです。

『舞台を途中でやめてはいけない。』というお能の決まりを
果たすのだそうです。

しかも驚いたことに、
お能は絶対に演じることをやめてはいけないので、
たとえ万が一、心臓発作などで演者の方が倒れても、
そこに伏せたまま舞台から降りず、
後ろに控え、舞台中の着替えなどを
手伝っていた方が倒れた方の役を、
何事もなかったように演じ続けるのだそうです!
そんな決まりごとがあった世界だったとは!

千秋楽の秋の字の右側には『火』という
『火事』などを連想させる縁起が悪い文字が入っているので、
お能の世界などでは、秋の文字を縁起を担いだ
亀の文字の入った『穐』を使い『千穐楽』と記すのだそう。

すべてが知らないことだらけ。

最後に、室町時代の知恵!!
舞台を囲むように弾かれているこの白い石『白砂(しらす)』というのですが・・・


なんと、今でいうところの『レフ板』の効果があるそうで、
舞台の役者さんたちをさらに美しく見せるための工夫なんですって!

もう一ついうと、左奥に数本植えられた松の木も、
きちんと遠近法を考えられて植えられているので、
広く見えたり自然に見えるのだそうです。


こんなものが都内でも渋谷駅近くのホテルの地下にあるとは!!

自分のライブ後だったので、とてもいい刺激をいただきました。
またぜひ行ってより深く知りたいです!

最後に舞台で記念撮影?


なんで普通に撮ればいいものを(笑)

それでは明日は週のおへそ!

元気に参りましょう!!

おやすみなさぁ~~~い

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