一人ディズニー見聞録

ディズニーを切り口に世の中の出来事を紹介しています。ディズニーソングのコンサートレポートも書いています。

オマリーとオマリー

2022-02-14 19:35:23 | キャラクター
「1分以内に、はかる、と読む漢字を書けるだけ書いてください」。これは、新入社員研修のグループワークで研修の講師から出された課題だ。「正しい日本語を使う」という目的で先の課題が出され、漢検準1級を持っていた自分にとっては余裕に解けると思ったが、1分間に3つしか書けず、恥ずかしい思いをした(書けた漢字は「図る」、「測る」、「計る」)。


言葉はおもしろいもので、同じ読み方をするのに、意味や漢字が全然違うということがよくある。例えば「きむらたくや」。多くの人は元SMAPの「木村拓哉」を思い浮かべるだろうが、フジテレビで平日の夕方のニュース番組『イット』をよく観る人は、アナウンサーの「木村拓也」を思い浮かべると思う。


このことは、あるディズニーキャラクターにも同じことが言える。それは『おしゃれキャット』(1970)に登場する野良猫の「トーマス・オマリー」だ。オマリーは、主人公のダッチェスとその子どもたちが、飼い主のボンファミーユ夫人の執事・エドガーによって川に捨てられた際、ダッチェスたちを家に帰る手助けをし、さらには彼女たちの危機を救い出したオスの野良猫だ。また劇中では、渋い歌声で歌を披露している。



<猫のオマリー(左)>


実は現実世界でも、『おしゃれキャット』の「トーマス・オマリー」並みに有名な同姓同名の人がいる。それは、1990年代に阪神タイガースとヤクルトスワローズで活躍した元プロ野球選手の「トーマス・オマリー」だ。30代以上のプロ野球ファンは知っている伝説の外国人選手だ。


アメリカ出身のオマリーは、メジャーリーグで結果を残すことができなかったため、1991年に阪神タイガースに入団。4番打者として活躍し、さらに試合後のヒーローインタビューで、「ハンシンファンワ、イチバンヤァー!(阪神ファンは一番やー!)」、と言うなど明るいキャラクターでも人気を博していた。1995年からはヤクルトスワローズでプレー。同年チームをリーグ優勝と日本一に導く活躍をし、その年のリーグMVPにも輝いた。1996年末に退団並びに引退し、その後は阪神のコーチや中米スカウトを務めた。



<阪神時代のオマリー>


日本のプロ野球界で大活躍したオマリーだが、阪神在籍時になんと歌を出していた。1994年に『オマリーのダイナミック・イングリッシュ』というCDが発売され、その中で阪神の球団歌『六甲おろし』を日本語と英語で歌っていた(1番:日本語、2番:英語)。しかし、オマリーは恐ろしいほど音痴で、日本語と英語共に音程を外しまくっていた。


そのためあまり売れなかった(それでも6万枚売れた)が、一部の人々から注目が集まり、歌手の星野源はゲスト出演したフリーライターのYoutubeで紹介するなど今でもカルト的な人気を誇っている。


猫と人間のトーマス・オマリー。両者とも男前で(人間のほうは阪神入団時、球団から俳優のロバート・レッドフォードに顔が似ていることをやたらとPRされていた)、ここぞの場面では活躍し、そして個性的な歌声で歌を披露するなど、共通点は意外に多かった。ちなみにウィキペディアで人間のオマリーを調べると、ページ上段に猫のオマリーのページへと移動できる案内が表示されている。意外にも間違えている人がいるのかもしれない(多分いない)

<参考>
阪神のオマリーが、移籍先に同リーグのヤクルトを選んだ理由とは?/平成助っ人賛歌【プロ野球死亡遊戯】 | 野球コラム - 週刊ベースボールONLINE (findfriends.jp)