一人ディズニー見聞録

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ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022 第2部

2022-09-13 07:41:00 | コンサート
9/10(土)、「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022」のプルミエ公演(ツアー初日の公演)が、J:COMホール八王子で行われた。昨日は第1部を紹介し、本日は第2部を紹介する。

第2部が定刻通りに始まり、ナビゲーターのささきフランチェスコさんと指揮者のリチャード・カーシーさんのトークセッションが行われた。フランチェスコさんはリチャードさんに、ディズニー・オン・クラシック(以降オンクラ)への想いや日本で何がしたいかなど、3年ぶりに来日したリチャードさんに様々なことを聞いていた。

その中で最も印象に残ったのは、リチャードさんはこの日の会場地である八王子では、高尾山に登り、名物のとろろそばを食べたいと言った時だ。外国人の口から「とろろそばが食べたい」と思いがけない言葉が出たため、会場は大いに沸いた。この盛り上がりは、リチャードさんと日本人のお客さんの心が通じあって生まれたものだと感じた。

第2部は、大人気映画『塔の上のラプンツェル』から全曲演奏された。この演目は、ラプンツェル、フリン、そしてゴーテルを演じた3人のシンガーに触れながら紹介しよう。

まずは、ラプンツェル役のケイリー・ルビナッチオさん。ケイリーさんは衣装、髪型、そして髪の色もラプンツェルと同じ格好をし、さらに好奇心旺盛で元気いっぱいなラプンツェルの性格になっていたため、本物のラプンツェルを間近で見ている感じがした。

特に、ケイリーさんが本物のラプンツェルのように見えたのが、『最高の気分、でも最低な気分』の時だ。初めて塔の外に出たラプンツェルが嬉しい気分になった一方、母ゴーテルの言い付けを破ったことへの懺悔の気持ちを表した同場面で、ケイリーさんは、嬉しさと悲しさの表情を瞬時に変えていた。ラプンツェルの心の葛藤を見事に表せていたのは、ケイリーさんがラプンツェルになりきるのではなく、ラプンツェルとなっていたからだ。とても見応えがあった。

ラプンツェルの相手方となるフリン役には、アルマンド・ロンコーニさん。アルマンドさんは、ラプンツェルに捕まった際にキザな誘惑顔を見せたり、ラプンツェルとの距離の縮め方に戸惑う様子を見せるなど、見た目や性格がフリンそのものになっていた。

顔だけならフリンに似ている人も多いと思うが、彼の仕草や動きになりきれるのは、もしかするとアルマンドさんだけかもしれないと思わせてくれた。

魔女のゴーテル役には、トリシア・タンガイさん。『お母様はあなたの味方』を唄うときのトリシアさんは、ゴーテルと同じようにラプンツェル役のケイリーさんを脅しながら唄っていた。その姿は、作中のゴーテルと全く同じだった。

さらに、強欲な魔女になったトリシアさんは唄い終わると、観客にもっと拍手をするように求め、観客席からはこれでもかというぐらいの拍手が長時間起きていた。自分の唄が終わってもゴーテルになっていたトリシアさんのパフォーマンスは、観ていて面白かった。

第2部ハイライトは、『王国でのダンス』だ。曲に合わせてシンガー全員が登場して踊った後、シンガーたちから観客席の全員が立つようにジェスチャーされた。そして、再び演奏されヴァイオリンとヴィオラ、さらには指揮者のリチャードさんも一緒になって踊った。この時、観客と演者との間に巨大な一体感が生まれ、今日一番の盛り上がりとなった。

『~ラプンツェル』終了後、オンクラ恒例のアンコール曲『星に願いを』が演奏された。今年の春ツアーまでは、コンサートマスターの青木高志さんのヴァイオリンソロから始まるのだが、今ツアーでは指揮者のリチャードさんが弾くピアノソロと合わせて演奏された。

リチャードさんのピアノの上手さに驚くのも束の間、なんとシンガー全員が日本語で『星に願いを』を唄い出したのだ。英語でも良いところを日本語で唄ってくれた彼らの優しさと日本への愛情深さに感激し、涙が勝手に流れていた。

午後7時30分頃、夢と魔法の時間は終わりを迎えた。アンコール終了後、コロナ禍になって中止となっていた金テープが飛ばされ、さらには規制退場が無くなるなど、少しずつ元の日常に戻ってきたことを感じた。

20周年目のオンクラ秋ツアーのプルミエ公演は、今ツアーに感動と元の日常を少しずつ戻す魔法が生まれることを教えてくれる公演となった。

〈第2部セットリスト〉
①『塔の上のラプンツェル』
『プロローグ』、『自由への扉』、『ラプンツェル、髪をおろして!』、『お母様はあなたの味方』、『お尋ね者、フリン』、『ティアラ』、『誕生日の願い事』、『ラプンツェルの取引』、『自由への扉(リプライズ2)』、『最高な気分、でも最低な気分』、『お城の馬』、『誰にでも夢はある』、『秘密の通路』、『魔法の花/二人のキャンプ』、『お母様はあなたの味方(リプライズ)』、『王国でダンス』、『あの灯りが待ち遠しい』、『輝く未来』、『お母様のもとへ』、『真実に気付いたラプンツェル』、『ゴーテルの最期』、『いやしの涙』、『歓びに包まれる王国』
②アンコール『星に願いを』