一人ディズニー見聞録

ディズニーを切り口に世の中の出来事を紹介しています。ディズニーソングのコンサートレポートも書いています。

ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022 第1部

2022-09-12 07:32:00 | コンサート
9/10(土)、「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022」の全国ツアーが始まった。開演20周年という記念すべき年の最初の公演ということもあり、会場のJ:COMホール八王子には、開場時刻の午後4時より前から多くのお客さんが来場していた

午後5時。定刻通りに第1部が始まった。ハーモニー・ジャパンの方々が音合わせを終えた後、ステージに3年ぶりに来日した指揮者のリチャード・カーシーさんが笑顔で登場した。リチャードさんの素敵な笑顔は、会場を和ませ楽しい雰囲気を作り出していた。

開演20周年を迎えた今コンサートの1曲目は、東京ディズニーランド「ディズニー・ファンティリュージョン!」より『フェアリー・ガーデン』が演奏された。1995年~2001年の間にランドの夜のパレードで使用された同曲は、今までのディズニー・オン・クラシック(以降オンクラ)では何度も演奏されてきた人気の曲だ。

さらに、オーケストラの演奏に合わせて、ステージ上のスクリーンには歴代のオンクラの様子が映像で映し出されていた。昨年初めてオンクラを観に行ったが、過去の公演の映像を観ていると、実際に当時の公演を観に行っていた感覚となり、1曲目から感動して涙が止まらなかった。

1曲目終了後、コンサートのナビゲーターを務めるささきフランチェスコさんとシンガーのみなさんが登場。出演者が全員登場したのは、2、3曲目をルーレットで選ぶ演出を見届けるためだ。

開演20周年を祝う今ツアーでは、ディズニーソングのプロデューサーたちが選んだ3曲と、お客様リクエストから選ばれたパークミュージックの4曲をそれぞれルーレットで決めるお楽しみコーナーがある(曲のリストはホームページでチェック)。しかも毎公演行われるため、公演ごとにより異なった曲が演奏されるのだ。

候補の曲が発表されると、曲によっては会場が多いに沸いたものがあるなど、このルーレットコーナーはファンにとってはたまらない瞬間だった。

ルーレットを止めるボタンを押すのは指揮者のリチャードさん。フランチェスコさんが説明しようとするとボタンを押しそうになるなど、リチャードさんも興奮が抑えられなかった。そして、9/10の公演で選ばれた曲は、プロデューサー部門は『ハイスクール・ミュージカル』より『みんなスター!』。パーク部門では、東京ディズニーシー「ファンタズミック!」より『イマジネーション』となった。

『みんなスター!』では、アーロン・ヤングさんとモネ・サーベルさんがソロを務め、さらにはシンガーが全員登場して楽しく手拍子、そして躍りながら会場を大いに盛り上げた。

シンガーたちもみな、高校生に戻ったように元気いっぱいにパフォーマンスを披露した。すると観客席の真ん中周辺にいるお客さんも楽しくなって一緒に踊っていた。『みんなスター!』は、会場に楽しさと一体感を生み出す曲となった。

続いて『イマジネーション』をディロン・ヒープさんとケイリー・ルビナッチオさんのソロで演奏された。ステージ上のスクリーンには「ファンタズミック!」の映像が流れ、リアルタイムでシーの夜のショーを観ている感じとなった。

オンクラは、ディズニーの映画やパークの世界に実際に行った感覚にさせてくれる没入体験を提供してくれるコンサートだ。それを体現させてくれたのが、この日選ばれた『イマジネーション』だった。

ルーレットの後は、お客様アンケートで1位となった各部門の曲が演奏された。まず作品部門で1位を取った『リトル・マーメイド』の『パート・オブ・ユア・ワールド』をケイティ・トラビスさんのソロで演奏された。

同曲は、美しさと儚さを兼ねたメロディに合わせて、人間の世界に憧れる人魚・アリエルになりきったケイティさんの歌声が見事に合わさった。この組み合わせを聞いていると、自然と涙が流れてきた。美しい曲に対して、人間の感情は素直に出るものだ。

続いてパーク部門で1位を獲得した東京ディズニーシー「シンドバッド・ストーリブック・ヴォヤッジ」より『コンパス・オブ・ユア・ハート』をアルマンド・ロンコーニさんソロで演奏された。

船乗りのシンドバッドが、子ドラのチャンドゥと一緒に大海原を冒険するアトラクションの曲は、壮大で力強く、そして優しいメロディとなっている。そのためか、曲冒頭の伴奏を聞いただけで、感動の涙が勝手に流れてきて、最後まで流れっぱなしとなった。それぐらい感動的な曲だった。自分の中では第1部のハイライトといっても過言ではない。

感動作が続く中、歌曲部門で1位を獲得した実写版『アラジン』より『スピーチレス ~心の声』がトリシア・タンガイさんのソロで演奏された。ジャスミン王女の想いを女性シンガーたちの歌声が、見事に合っていて聞き応えのある一曲となった。

お客様リクエスト曲が終わると、第1部最後の『メリーポピンズ』より『メリーポピンズ』組曲が、ケイティさんのソロとシンガー全員で演奏された。『チム・チム・チェリー』の楽器演奏で始まり『お砂糖ひとさじで』、『凧をあげよう』、『チム・チム・チェリー』、『2ペンスを鳩に』、『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』をメドレー形式で披露された。

見た目がメリーポピンズにそっくりなケイティさんは、楽しげにメリーを演じ、彼女を盛り立てるように他のシンガーたちも楽しそうに唄っていた。シンガーたちの手拍子に合わせて、会場でも手拍子が起こり、再び会場が一体感に包まれた。

明るく楽しい曲が続いた後、静かでゆっくりとした曲が続き、そして究極に楽しくて明るい曲で締める、この『メリーポピンズ』メドレーは第1部の最後を飾るにはふさわしかった。

〈第2部に続く〉

〈第1部セットリスト〉
①東京ディズニーランド「ディズニー・ファンティリュージョン!」より『フェアリー・ガーデン』
②『ハイスクール・ミュージカル』より『みんなスター!』
③東京ディズニーシー「ファンタズミック!」より『イマジネーション』
④『リトル・マーメイド』の『パート・オブ・ユア・ワールド』を
⑤東京ディズニーシー「シンドバッド・ストーリブック・ヴォヤッジ」より『コンパス・オブ・ユア・ハート』
⑥実写版『アラジン』より『スピーチレス ~心の声』
⑦『メリーポピンズ』より『メリーポピンズ』組曲
『チム・チム・チェリー』(楽器演奏)、『お砂糖ひとさじで』、『凧をあげよう』、『チム・チム・チェリー』、『2ペンスを鳩に』、『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』


ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022

2022-09-11 07:48:00 | コンサート
ついに「輝く未来」が始まった。

9/10(土)、「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022」の全国ツアーが始まった。

初日の公演の様子は、明日(9/12)に第1部、明後日(9/13)に第2部と分けて紹介する。

開催20周年という記念の年のツアー初日は、いったいどんな感じだったのか?

〈第1部に続く〉


外国人シンガーが持っている魅力について

2022-09-10 08:01:00 | コンサート
本日(9/10)、「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022」の全国ツアーが始まる。

9/10(土)から12/25(日)までの3ヶ月間、全国37都市54公演が行われるディズニー・オン・クラシックは、今年開催20周年を迎えた。今年のツアーでは2つのプログラムが用意され、A公演では『塔の上のラプンツェル』、B公演では『ノートルダムの鐘』から全曲演奏されるなど、20周年という記念すべき年にふさわしいツアーとなっている。

また今ツアーでは、3年ぶりにニューヨークのブロードウェイで活躍する外国人シンガーが来日する。コロナ禍になってからは、日本政府による入国規制の影響で外国人シンガーたちは来日出来ず、代わりに日本の声楽団体「二期会」に所属する歌手の方々が、2020年から2022年の春ツアーまでシンガーを務めた。

以前自分のブログで、日本人がシンガーを務めると、ディズニーソングを慣れ親しんだ日本語で唄ってくれて、さらに同じ国民ということで、シンガーと観客との間に一体感が生まれやすい、ということが日本人シンガーの魅力だと書いた。

しかし、今日からのツアーでは日本人ではなく外国人がオンクラでシンガーを務める。そのため、彼らに対して日本人シンガーと同じ魅力を求めるのはとても無理がある。だが、外国人シンガーには彼らにしかない魅力がある。

まだオンクラでは外国人が唄う姿を観ていないが、8月に行われた「ディズニー・ワールド・ビート」では外国人が唄う姿を観てきた。そこで感じたのは、外国人シンガーは、曲を体全体で表現しているということだ。外国人は声だけではなく、顔の表情や目、思いっきりの良い身ぶり手振りを交えて歌を唄っていた。

もちろん、日本人シンガーも表情や身ぶりを交えて唄っているが、外国人は日本人以上に大きく体全体を使いながら唄っていた。外国人の思いっきりが良すぎるパフォーマンスは、観ている者を圧倒し釘付けにさせるパワーがある。そして、そのパワーは観客を歌の世界に導く要素も持っていると思った。

日本人シンガーにはないパワーを持つ外国人シンガーたち。そのパワーは、今日から始まるオンクラ全国ツアーで多くの観客が目の当たりすることになるだろう。とても楽しみだ。

ディズニー・オン・クラシック ~帰って来た外国人シンガーたち 2022

2022-09-09 07:39:00 | コンサート
「彼らが日本に来た目的は「チーム力の強化」である。チームを優勝に導く「助っ人」として、彼らは遠路はるばる日本までやってきたのだ」。(注1)

これは、プロ野球界で長年外国人選手のスカウトを行ってきた中島国章氏の言葉だ。中島氏は、1973年にヤクルトスワローズ(当時)で外国人スカウトを務めて以来、数多くの日本のプロ野球で活躍出来そうな外国人選手を連れてきて、見事に成功させている伝説の外国人選手スカウトだ。

中島氏は長年の経験から、優勝するチームの特徴として外国人選手の活躍を挙げている。日本人離れしたパワーとスピードを持ち、日本で活躍したいと思う外国人選手が多いチームは優勝する一方、低迷するチームは、そのような外国人がいないため成績が上がらないと指摘している。現に、現在のプロ野球で優勝争いをしている上位チームでは、外国人選手が活躍しているのだ。

この理論を当てはめるのは無理やりかもしれないが、明日(9/10)から行われるディズニー・オン・クラシック(以降オンクラ)の全国ツアーも同じことが言えると思う。

今年の秋の全国公演ツアーでは、3年ぶりに外国人シンガーと指揮者、そして日本人のオーケストラの編成で演奏される。2020年と21年の秋と春のツアーは、新型コロナ感染拡大防止による入国規制に伴い外国人シンガーではなく、二期会所属の日本人シンガーが歌を唄っていた。

自分は、日本人シンガーになってからしかオンクラを観たことが無いため、外国人がディズニーソングを唄うとどんな感じの公演になるかは想像つかない。(8月に行われた「ディズニー・ワールド・ビート」で、外国人の唄うディズニーソングは聞いている)。

外国人選手の活躍がチームを優勝に導くとすれば、外国人シンガーたちの3年ぶりのパフォーマンスが、今回の全国ツアーの盛り上がりを担っていると思う。

3年ぶりに来日する外国人シンガーたちが唄うコンサートは、ここ2年間行われていた日本人シンガーたちのコンサートとはどのように異なったものにしてくれるのか?それを考える上で大事になってくるのが、外国人シンガーたちの特徴だ。

〈『外国人シンガーが持っている魅力について』に続く〉

〈引用文献〉
注1) 中島国章,『プロ野球 最強の助っ人論』,2015年,株式会社講談社,p11,L4