丁半小僧武吉伝 『面影探し』 沖田正午 (幻冬舎文庫)
―カバー裏あらすじ―
川越の呉服問屋・庄田屋に奉公する少年武吉は番頭の言いつけで使いに出る。だが、そんな武吉を待っていたのは悪徳金貸しの一味だった―。ひょんなことから出生の秘密を知り母への恋慕を募らせる武吉のもとへ、ひとつ、またひとつと災難が。降りかかる火の粉を賽子(さいころ)勝負で払えるのか!? 丁半博奕の天才少年、武吉の活躍を描く痛快時代小説。
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『賽(さい)の目返し』 『穴熊崩し』 に続く3冊目です。
奉公に出てから2年半が経ち、武吉(ぶきち)は、かぞえで11歳になっていました。
今なら小学4年生くらいかしら…。
奉公に出た当時の武吉は実際の歳の子より、ずっと大人っぽい印象でしたが、今作の武吉はむしろ幼い感じ(可愛いという意味ね)がしました。
でも、心はやっぱり大人かな^^。
前作、前々作の題名<賽の目―>も<穴熊―>も、壷振りの技の名前ですが、今回の<面影探し>は違います。
この<面影>は、武吉の母への想い…
母の面影を追います。
ああ、武吉はおっ母さんの顔を知らないのね…
ある勝負で、勝ったら 「何が欲しい」 と問われた武吉が
「ただ…おっ母に会いてえ」 と…
そうだよねぇ。会いたいよねぇ。
会わせてあげたいけれど、それはできないのよ。武吉…
(T.T 袂を目にあてるwataであります)
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不憫ではありますが…
それ以上に周りの大人から愛情を貰っているので、よかった、よかった^^。
周りの大人たちというと…
情に厚い人たちの多いこと。
悪人でさえ、いい人です^^;
武吉の(歳の離れた)兄の幸次郎のファン(いつからや;)の私としては、今回もまた幸次郎がたくさん出てきてくれて、嬉しい限りです^^。
幸次郎が主人公の番外編なんてのも、激しく希望いたします。
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カバーイラストは横田美砂緒さん。
前作、前々作の元気な武吉とちょっと違って、
今回は撫子の花に囲まれて、母への想いを募らせる武吉。 かな?
(武吉のアップ)
なんと!幸次郎さまからも!!
こんなに嬉しいことはございません。
―武吉坊へ―
このまま元気ですくすくと育っていってくださいね。
おばちゃんも鰻が大好物です^^。
―幸次郎さまへ―
武吉坊へ向けられる、優しい眼差しに惚れてしまいました。
―雪乃さんへ―
幸次郎さまとお幸せに!
武吉坊をよろしくお願いします。
―沖田正午さんへ―
そうでした。武吉坊との出逢いは、ばぁちゃん(母)の病院でのことでした。
優しく、情に厚い母でした。今は大好きなお花に囲まれて微笑んでいることと思います。
うっとおしい梅雨の時季、どうぞお体ご自愛くださいませ。
これからも武吉坊の成長と活躍を楽しみにしています。
「読んでくれてありがとうございますです。おいらこんなうれしいことはねえ」
幸次郎
「面白かったですかい? ……そいつぁよかった」
春乃
「ご家族皆さまのお幸せを、お祈りしますわ」
沖田
「おばあちゃんが亡くなったそうで。心よりご冥福をお祈りいたします。思えば、おばあちゃんのお見舞いからでしたね、武吉との縁は……」
一同
「これからも『丁半小僧武吉伝』をよろしく」
怪しいオバサンと思われたことでしょう^^;
武吉坊。ぜひ、探してみてください。
『面影―』と一緒に、E・W・ハイネの『まさかの顛末』も買ってきました。
久しぶりのショートショート。
寝る前に一話ずつ楽しもうかと思っています^^。
私、このシリーズは読んでいません
ちょうど、きりのいいところなので、今度本屋さんで見てみま~す