最近英国の探偵小説を読むことが多いのですが、なんといってもコナン・ドイルとアガサ・クリスティーが双璧です。面白さにおいて,両者に優劣はありません。ただ多くの作品の中で、面白いもの(よくできているもの)とそうでないものは当然存在します。
どちらか一方をと言われれば、私はクリスティーを選ぶでしょう。ドイル1859‐1930に対し、クリスティー1890‐1976と、クリスティーが今に近いから理解しやすいのです。
1 コナン・ドイルの場合、シャーロック・ホームズとワトソン医師との組み合わせ、名コンビ。ただ気になるのは、ドイルは「緋色の研究」でモルモン教徒を間接的ながら、厳しく批判しています。大きな問題にならなかったのかどうか。最終的には両者が話し合い、大きな問題にはしなかったようですね。
2 アガサ・クリスティーの場合、ポワロとミス・マープルが探偵役で出てきますが、彼らが出てこない名作もあります。テレビで見る、ポワロ(デビッド・スーシェ)、マープル(ジェラルデイン・マクイーワン)も名優です。いずれも故人となりました。
探偵小説・推理小説の面白さは、その論理にあると思います。論理の進め方は適切か、無理はないか、目を皿にしてチェックすれば、往々にして「あら」が出てきます。しかしそれがどうした、面白ければいいじゃないか、というのが私の立場です。