カレー屋(EXA)

エキプロ5で遊ぶブログでした。もはやその名残りはほぼない。

ワルプルギスの夜に

2020-06-27 22:00:00 | スポーツその他

“ワルプルギスの夜がはじまる”

“やつの存在を許すな”




いきなり、何を宣うのかと思われたことと存じます。
仰るとおりでございます。

冒頭のこの2文ですが、私がえらい長い期間遊んでいたゲーム、
「エキサイティングプロレス5」で登場した…
…登場した…
なんだろう…えーと…
…て、定型文です。

エキプロ5にはいわゆるストーリーモードみたいなものがありまして、
WWEレスラー(またはエディットレスラー)を使って
一年間のストーリーラインを追体験するモードで、
PPVで大きな抗争に基づく試合があると、
その試合前にWWEらしく煽りVが流れましてですね。

で、その煽りVにはいくつかの定型文がランダムで組み合わさって
テロップが表示されるんですけど、中でもお気に入りだったのが

“ワルプルギスの夜がはじまる”
→“やつの存在を許すな”

という定型文の流れ。
ちなみに、
このテロップにはなんの意味もない。

そんなわけで“ワルプルギスの夜”が何のことなのかよくわからないままに
お気に入りのフレーズとなっていたのですが、
割と最近、この単語を聞く機会がありました。

それは、5月にほぼほぼ週刊でその葛藤の模様をお届けすることになった
プロレスラー・水森由菜選手の配信で耳にすることになりました。



5月に様々な感情の渦を乗り越え、
“チョコプロシーズン1”のMVPとなった水森由菜選手。
しかし、その感情の発端となったインタビューの、インタビュワー…
さくらえみ代表へ向ける感情は失われることなく、
Season2が始まって※回目となるチョコプロで、
改めてその感情をぶつける機会を、一騎打ちを要求しました。

対して、代表であり、マッチメイカーでもあるさくらさんは、
ジャンケンでの一騎打ちなどに濁そうとしながらも、
最終的にこれを承諾。

6.30のチョコプロで一騎打ちを行うことを決める…
と、同時に。

それまでの期間、水森由菜をチョコプロの出場を禁じる、という…
ド腐れヤッホーズのパートナー・藤田ミノル選手を追うようにして、
事実上の“追放”措置が下されることとなりました。



試合に出ることのできない水森由菜選手がとった、
…とることのできた、自己主張の手段が“配信”。

前述の藤田選手や、藤田プロレス☆スクールの講師陣、
及び闘争に参加を契機に関わりの深くなった名古屋のプロレスラーたちetc
同様に、ツイキャスでチョコプロの模様を実況するという
“裏(本人は表と主張)番組”を敢行。

対戦相手・さくらえみ選手との
試合への気持ちを切らさない(+怨嗟をさらに増長させる)とともに、
プロレスラーとしての自身の感情を吐露する
(とともに、上述のレスラーやファンたちによる大喜利)場として機能しています。

“ワルプルギスの夜”はその配信の中で、
水森さんが6.30のさくらさんとの一騎打ちを形容した表現です。

何故その単語を用いたのか(一旦大喜利の手を止めて)
訪ねてみたところ、理由はこのようなものだったかと記憶してます。



「魔女だから。魔女狩りの夜だから。」



さて。

そもそもワタクシですね、ワルプルギスの夜が何だか知りません。

で、そんなLINEをラーメン橋(ゲーム)に勤しむ実兄にしたらですね。

「ワルプルギスの夜って4.30じゃないの?」

とか返信があり。

…さらにわからなくなった。

というわけでワルプルギスの夜が一体何なのか、
(エキプロ5が2005年のゲームなので、15年越しに)一応調べてみました。



ワルプルギスの夜は欧州圏の季節の変わり目に行われる祭事で、
5/1のお祭りの前夜に行われる“魔女の宴”的な何かだとかなんとか。

おそらくノリとしてはハロウィンとかお盆に準ずるものなんでしょうね。

“ワルプルギスの夜”という名前は8世紀の聖人、聖ワルプルガに由来し、
その聖ワルプルガの聖遺物の移譲の日に

この祭事を行うことになったことから、
4/30-5/1をそう呼ぶようになったようです。
ドイツ語圏だと“ヴァルプルギスの夜 Walpurgisnacht”になる。
ので、上のサムネイルにも書き込んでみたわけですが。
…ドイツ語で記述すると、中2感が爆発的に増大しますね。



水森さんが用いたこの“ワルプルギスの夜”という言葉はおそらく
その祭事を指したもの、ではなく。

その後のツイートからするに、
「魔法少女まどか☆マギカ」に登場する
“ワルプルギスの夜”に由来するものと思われます。

…とはいえ私、虚淵玄作品は吸血戦記ヴェドゴニアとPhantom、
あとFate/Zeroくらいしか知らないので、
これもまたGoogleさんのお世話になりましたが。

“ワルプルギスの夜”…“舞台装置の魔女”は、
作中における“魔”の象徴。
数多の魔女、その最悪の一つ。

そして、その“魔”を狩る夜として、
水森由菜選手は、6.30のさくらえみ選手との
シングルマッチを位置づけた…
と、勝手に解釈しておきます。



さて。

水森さんをチョコプロから追いやったさくらさん。

その理由をそのあとのウォッチングパーティーで、
概ね以下のように仰っていたように思います。

・5月を戦い抜いた水森由菜の勢いは、実際に凄い
・自分のコンディションを整えないと、今のままじゃ勝てない
・でもうっかり勢いで追放しちゃったから選手が足りなくてカード編成に困る。後悔してる。

…選手・水森由菜の力を認めた上で、
強権を発動し、さらに自分のコンディションを整えるという
誠実さと横暴さを同居させつつ、
マッチメイカーとして困惑するという…
とても滅茶苦茶な、しかしそれでいて、
実に“さくらえみらしい”ところを白状しました。



さくらえみらしさ。

さくらえみという選手を、どういう形でか形容するのは、
もう、私には無理です。

自分の中で腑に落ちた言葉を引用するならば、
佐藤光留選手が市ヶ谷で試合したときに形容していた
「(さくらさんの言葉は)散弾銃」「銃乱射事件」。

その場その時思いついたことを思いつくままに明らかにし、
そして恐ろしいことにその思いついたもののうちのいくつかは、
とてもとても重要なことであるかのように響く。

“思いついたこと”の中にいくつか核心があって、
それに向けて突き進むのだけれど、
“何故それを思いついたか”はあっという間に忘却の彼方に消え、
そしてそれに突き進む過程もまた、散弾銃のように。

…とはいえ、それが全てでは決してなく、
もはやそんなに軽々に形容することはできそうにない。

ところで唐突ですが私、三国志を題材としてモーニングで連載していた
「蒼天航路」(王欣太 作)が大変好きなのですが、
作中で魏軍の捕虜となった徐庶が諸葛孔明について語る際、
“人は自身に理解できないものを目の辺りにしたとき、怪物に例えたがる”
みたいなことを言っていましたが…

“理解できない”というよりも、自身の言葉の枠組に捉えきることができない。
その範囲に納められる気がしない。

…だからこその、“魔”あるいは、“魔性”。





6月27日、水森由菜に対して行われた、
バリヤン・アッキによるインタビュー。

水森さんはさくらえみという人物について、
“信念がない”という点を、おそらくは溜め込んだヘイトの一端として、
抱いている印象を吐露しました。

本当に信念がないのかどうかはさておいて、
水森由菜からしてみれば、さくらえみという選手の思考がどこにあるのか、
見えない。
…というか、たぶん、“魔”に見えている。

そしてその魔を討ち祓う闘いは、
チョコプロの水森由菜にとって意味深い、
そもそもこの因縁のある意味では発端となった試合形式である、
ラスト・ウーマン・スタンディング形式での
完全決着戦と相成りました。



さて。

チョコプロの水森さんについてもうちょっと雑なことを。

チョコプロ、というかチョコプロにおける水森さんって、
なんとなく、WWEとかアメプロっぽい感じがしてですね。

我闘雲舞のプロレスの中ではおそらくは生まれなかった(生まれ難かった)闘い、
抗争のかたちが、チョコプロではできる。

これからプロレスを続けていく中で、
もしかしたら様々なプロレスラーとの因縁を築くことになるかもしれません。

その中で、“ヘイト”という生々しい感情を以て、
おそらくは初めての抗争相手となったのが、
師匠であるさくらえみ。

…その意味や価値については、
試合前の今解釈するのは性急な気がするので
とりあえず黙っておくことにします。



“ベルトを巻ける、認められる選手になりたい”と願う水森由菜。

その願望に対してのバリヤンアッキの回答には、
おそらく多くの人が同意するんじゃないかなと思います(少なからず私は同意した)が、
でも、水森由菜が求めるのはたぶん、“いつか”じゃない。

“今”。
目に見える因縁の相手、さくらえみを倒すといういわば“勲章”を。

貪欲に目指し、努力し、“今”、まさにチョコプロを、
我闘雲舞を知らしめたい、という闘い。



2ヶ月遅れのワルプルギスの夜。

“魔女狩り”の夜となるのか、
あるいは、“魔”に魅入られる夜となるのか。




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