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このブログは布教目的ではありません。
エホバの証人である親を持つ、非信者によるエホバの証人の解説ブログです。

エホバの証人と輸血問題

2024-02-26 22:03:20 | 日記

みなさん、こんにちは。

また半年近く更新が止まってしまいましたね。。。

まあ自分のペースでゆっくりと投稿していこうと思います。

今回は、エホバの証人関連で世の中からの関心が高い輸血問題について取り上げます。

 

エホバの証人では、このブログの「エホバの証人の教え③」で書いたように、避けるべきこととして「血の間違った用い方」を挙げています。エホバの証人にとっての「血の間違った用い方」とは、輸血と血を食べることを指しています。この記事では、なぜエホバの証人は輸血と血を食べることを避けるのか、そして輸血を拒否することによる医療の問題に関するエホバの証人の考えを記述します。

 

まずは、血を避けるようにと言及している聖句を紹介します。

「すなわち、偶像に献げた肉と、血と、絞め殺した動物の肉と、淫らな行いとを避けることです。(以下略)」(使徒言行録15章29節)

「すべての肉なるものの命はその血であり、それが命の代わりとなる。それで、私はイスラエル人の人々に言った。『いかなる肉なるものの血も、決して食べてはならない。すべての肉なるものの命はその血だからである。それを食べる者は絶たれる。』」(レビ記17章14節)

「ただ、肉はその命である血と一緒に食べてはならない。」(創世記9章4節)

「ただ、その血は決して食べてはならない。血は命であるから、命を肉と共に食べてはならない。」(申命記12章23節)

エホバの証人はこれらの聖句を、神からの血を避けるようにというメッセージとして解釈しています。そのため、輸血によって体内に血液を入れることと、血を食べることを避けています。

血を食べない理由は、聖書に文字通り「食べてはならない」と書いてあるからですね。食事の際は全血や血液の何らかの成分が加えられた食物を避けています。

 

さて、ここから輸血についてです。聖書には、上記のように血を「食べてはならない」と書かれています。輸血の場合は食べるのではなく、血管に直接血液を注入する医療行為です。ここに矛盾を感じる人もいるでしょう。エホバの証人は、血液に注入することも食べることと変わらないと考えています。口から食事を取って栄養を摂ることと、食事の代わりに点滴等で静脈を通して養分を得ることは同じだから、口から取り入れない血液を血管に直接注入するのも避けるべき、ということですね。エホバの証人がよく使う例え話で、アルコールを避けるようにと医者から言われた人がいたとして、飲酒はやめても、アルコールを直接静脈の中に注入させていたら、その人は医者の指示に従っていると言えますか?という話もあります。

 

血を避ける理由の一つとして、聖書に血を「食べてはならない」と書かれていることについて書きましたが、他にも理由はあります。

エホバの証人は、血は命を表すもの、つまり命に等しいものとして見ています。なぜそう考えるかというと、先に記した創世記9章4節の聖句に「その命である血」と書かれていることから、神は血を命と同等のものと見なしていると解釈しています。他にも、アダムとイヴの子供であるカインが弟のアベルを殺害した場面の聖句から、血と命が聖書的な意味で密接な関係であると考えています。「あなた(カイン)の弟(アベル)の血が土の中から私に向かって叫んでいる。」(創世記4章10節)と書かれていることから、殺されたアベルの血が叫んでいるのは、血が命を表しているからだと考えています。

 

ここまでエホバの証人が血を避けている理由を書きましたが、ここからは、輸血を拒否することによる医療の問題について、エホバの証人の考えを記述します。

エホバの証人は、上述の通り輸血をしません。そして、輸血につながる献血、輸血のための自己血保存もしません。血液の主要成分である赤血球、白血球、血小板、血漿も受け入れません。ただし、血液から抽出された分画は、各自が良心に沿って決定することとしており、教団として避けるようにとは言っていません。輸血のための自己血保存及び保存された自己血を再度体内に戻すことはしませんが、手術中に一時的に血液を体外へ出し、心臓等の臓器機能を装置に肩代わりさせて体内に戻したり、希釈させたり有害成分を除去して体内に戻す等の医療行為は、良心に沿って決定することとされています。エホバの証人は手術も禁止されていると思っている人もいるようですが、そんなことも全くありません。輸血を伴わない医療行為は全て受け入れています。命を何より大切にしているからです。あくまで、数多ある医療行為の中の1つを受け入れていないだけです。

輸血をすることによって助かる命があるのは確かですが、当然リスクもあります。日本医学臨床検査研究所のホームページにある輸血副作用のページを見ると、最も頻度が高い副作用であるアレルギー反応や、輸血関連死の主な原因である肺障害、感染症等、調べればたくさん出てきます。もちろん医療行為にはリスクや副作用が付き物ですから、輸血をする際も患者本人や患者のご家族に対して十分説明をして、納得したうえで行われるものです。納得できなければ他の治療法を選んだり、他の病院を選ぶこともあるでしょう。それは宗教に関係なく誰もが持つ、自分が望む医療を受ける権利です。生きるための手段として輸血しか選択肢を提示しない医師は、輸血に頼らない治療方法の知識や経験がないだけかもしれませんね。

 

聖書に輸血禁止は書かれていません。そう言ってエホバの証人の教義を否定する人はたくさんいます。それはエホバの証人も当然知っています。この記事では、なぜエホバの証人がそれでも輸血を拒否するのかを解説しました。これを読んだ上で到底理解できないという人もたくさんいるでしょう。

輸血用血液が足りないと献血が呼びかけられていますが、献血はあくまで善意によるものです。輸血は善意に頼るしかありませんが、今後医療技術が発展して輸血に代わる医療が確立されれば、輸血用血液が足りないというリスクも回避できます。無輸血治療と言えばエホバの証人のための治療方法と考える人もいるようですが、宗教上の理由以外で輸血を避ける人もいるので、今後の医療が発展して医療の選択肢が増えるといいですね。

 

参考文献

・「聖書から論じる」-血

・「神にずっと愛されるために」-7章 神と同じように命を大切にする

・「神にずっと愛されるために」-補足情報21 血液分画と医療処置

・「血はあなたの命をどのように救うことができますか」



1 コメント

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ブログ読ませて頂きました (yoo)
2024-03-06 21:37:57
はじめまして。
元JW2世でyooと申します。

私は「JW完全論破ブログ(https://jwoff.org/)」と「全ての宗教2世に捧ぐ答え(https://wisesheep.org/clues/)」という2つのブログを運営しつつ、宗教2世被害者のための活動をしております。

それで、もし私のブログに興味を持って頂けたら私のブログに対するご感想、あるいはご批評をこちらのブログにて紹介して頂けないでしょうか??

どちらか一方で構いませんので、、。

ご感想あるいはご批評を頂けたらその内容をしっかりと読ませて頂き今後の執筆や活動に活かしたいと思います。

可能であれば私のXのDMにてご連絡頂ければ嬉しいです。よろしくお願い致します。
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