初夏にリリースされた『hint oyaji DS』が素晴しい。
これはSUZUKISKIのレーベル"hint"のレーベル・コンピということなのだけれど、新宿のONSAとその通販のみで入手できるCD-Rというコンビニエンスに音楽が手に入る現状と逆行する一枚だ。
寡作だが饒舌な電子音楽を紡ぐ主催者=SUZUKISKIをはじめ、90'Sピュアテクノの良質な部分を思い出させるTANAKA SCAT、アンビエントな季節の到来を予感させるPORTALに一聴すれば正体がわかる謎の人物=ガブ山ガブ太郎などミニマルやエレクトロなど流行とは距離を置いた電子音楽が聴ける。
そのリリースとONSA RECORDSの開店10周年の合同アニバーサリーが先日催された。
長身の身体を屈しながら弁当箱サイズの機材ひとつだけを操るSUZUKISKIのライヴも相変わらず素晴しかったが(Youtubeにて違う会場でのライヴ映像を見つけたので、こんな駄文よりもそちらをどーぞ)、名前が違うだけあっていつもとは違う顔を見せたガブ山のライヴを特筆したい。
suzukiski - hint oyaji
今年のMETAMORPHOSE SOLAR STAGEのトリを飾ったメロディとリズムは鳴りを潜め、ドローンが響き、そこからはいつものユーモアではなく、ある種のタナトスさえも感じる。
この日のライヴは件のコンピに収録された『Eve カブ山カブ太郎のテーマ』の各テーマを拡大させたモノだったのだが、テクノやエレクトロニカといった区分けやクリック、アンビエントといったクリシェにも捕らえられない一音楽家としての懐の深さを再認識させれれるようなライヴだった。
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