2025/3/1の米ウ首脳会議が決裂した。いろんなことが言われているが、アルジャジーラの「トランプは歴代の米大統領が陰でしてきたことを生放送中にしただけだ」との指摘が一番正しいと思う。今までは、内容は今回の米ウ首脳会議決裂と似たようなものとなったとしてもそれは公開しないで会議が終わった後で笑って握手だけはしてみせるという形だったと思う。
ただし、この2つには大きな開きがある。これまでは建前だけでも一応友好国・同盟国同士では、基本的には友好的なふりだけはしていた。今回はその建前をも捨てて、テレビの前で喧嘩をするということとの差はとてつもなく大きい。
アメリカは日本に対して核の傘を差しだしていることにはなっているのだが、昔から「核の傘は破れ傘?」とかいう言葉はあった。普通に考えてみれば”日本のために”アメリカがロシアや中国と真剣に核弾頭を撃ち合うはずはないというのは自明のこと。ただ建前では核の傘はあることになっているし、日米安保条約の日本防衛規定は守られるはずとのことにはなっていた。
今回のトランプの行為はこの「建前」が全く頼りないことであることをあからさまにしてしまった。(頼りないというのは婉曲表現で率直に言えば嘘ということだ。)
最も強烈な映像を見せることにて。
トランプは次の大統領選挙に副大統領として当選しすぐ次の大統領をやめさせて大統領3期目をやるなどという話も出ているようだが、この次のアメリカ大統領選挙しだいではほんとうに日本も別な形の安全保障を考えないとならないことになりそうだ。
次のアメリカ大統領がトランプタイプでなく従来タイプに戻るなら、なんとか首をすっこめてあと3年と何か月間をやり過ごすことを考えていればいい。(その間に核戦争にならないことを祈るしかない。)でもまた次もトランプタイプになったら、日本も今の形の安全保障体制の続行は無理と観念するしかないだろう。残念だが。
”別な形の安全保障”は随分金のかかる代物に違いない。気の重いことだ。(2025/3/3)