自然の中で考えるマガジン 

岡山県鏡野町とみ山荘からのメッセージです。

他の部室は焼けてもいいのか?

2019年03月15日 21時57分12秒 | Weblog

数日前の夕方のテレビニュースである高校で火事があったと報じていた。

その高校は甲子園に出たことがある強豪校だそうだ。焼けたのは運動部の部室で焦げた部室のドアのあたりの映像が流れた。そのニュースの最後の方で、幸いにも野球部の部室は別の棟にあり難を逃れた、とアナウンサーが読んでいた。

強豪校の野球部に焦点が当てられているのは明白だ。まるで他の部室は焼けても仕方なかったのだ、野球部は大丈夫だったのだから、とさえ言っているようだった。

この恣意的なニュースの作り方には反吐が出そうだ。気分が悪い。他の運動部の生徒の落胆や悲しみはどんなだろうと思う。ニュースの裏側になにかにすりよった気持ちの悪い意図が見え透ける。

だからニュース番組や新聞が大嫌いだ。公平中立な報道など目指さず自分の旗色を鮮明にしてやってくれた方が見る方も気が楽だ。

その高校の野球部以外の運動部の生徒に謝れよ、テレビ局。


あれは虐待ではなかった話。

2019年03月07日 23時03分45秒 | Weblog

幼稚園から小学校低学年頃まで私は本能のまま暴れて走り回っていたずらをする生まれて数か月目の子猫みたいに生きていた。親の言いつけは守らない、姉とはすぐにケンカをする、物は壊す、ふろしきを首に巻き付けて飛べると信じて崖から飛び降りる、飼い犬の耳をハサミで切る、コンセントの上下対角線の穴にハサミを突っ込み火花をちらしうっとりと見る、などと数えきれないほどのわるさをした。

そうすると田舎にはたいていの家には倉があってそこへ両親や祖母にがっしり抱えられて放り込まれる。私は必死に泣きわめいて手足をばたつかせもがいて大人たちの衣服をびりびりに引き裂いて抵抗する。大人たちも完全にのぼせあがって大声をだしてしかりつけながら私を拘束する。警察に通報されてもおかしくないくらの騒ぎであるが、どこの家でも悪ガキは倉に放り込まれていたので日常のできごとでもあった。

一時間もすると分厚い土の扉があいて反省したか、と聞かれて外に出される。反省という言葉の意味もわからないけど一応しゅんとしてこくんとうなずいてちょっと媚びる。こましゃくれたガキだったので蔵の中のアオダイショウに食べられてしまえって嘘だよね、とか言って機嫌を取る。

倉の中では玄米と小豆をまぜてやったり大事にしまってある皿なんかにヒビを入れてやったりして楽しんだ。

そんな一連の出来事の中でも一度も殴られたり蹴られたりはしなかったし、命の危険にかかわるようなことはなかった。

今、あれは決して虐待ではなかったと言い切れる。なんでかなあ、そう思う。あの体験による心の傷は無かったし、家族みんなお互いに大好きだったからね。