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日本大学 vs 大東文化大学(関東大学リーグ戦G1部-2024.09.15)の感想

2024-09-20 00:25:32 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


実に2年ぶりとなるリーグ戦Gのレギュラーシーズンの観戦。昨シーズンは入替戦しか観ておらず、選手をほとんど知らない状態になってしまった。しかも場所は暑さが名物の熊谷ラグビー場。12時半キックオフの第一試合は、ピッチ上で戦う選手はもとより、照り返しがきついスタンドでも暑さとの戦いとなる。

両校の選手をほとんど知らない中で1人、大東大のCTB12のハニテリ・ヴァイレアは覚えていた。2年前の試合では留学生の枠もありなかなか出場できなかった選手。2年生当時からプレースキックの名手として注目していたが、4年生の今は副将としてBKをまとめる存在。試合前から見せる確かな存在感に学生の成長の早さを感じる。

◆前半の戦い

酷暑の中、日大のキックオフで試合開始。序盤から、暑さに対する消耗とハンドリングミスを避けるためか、陣取りキックの応酬。ラインアウトからのリスタートが多い展開となる。アタックでは大東大は奔放なパス回し、日大はスクラムの強さとパワフルなランナーを活かしたタテ突破がそれぞれの持ち味。

両者一進一退の攻防が続く中で、23分にようやく均衡が破れた。大東大が日大22m内のラインアウトからモールを形成して前進しHO嵯峨がトライ。ヴァイレアのGKがポスト中央に収まり大東大が7点を先制する。

日大も反撃。28分、中間エリアでのラインアウトからモールで前進した後、WTB14の筒井がビッグゲイン。ボールはフォローしたSH福田につながりトライ。GK成功で試合は7-7の振り出しに戻る。

日大は畳みかける。31分、日大のFB半田が左タッチライン際を快走してトライ!と思われたところで大東大のFBオトが渾身のトライセービングタックルを見せる。続くラインアウトで大東大がファンブルしたボールを日大が拾い、No.8の大宮がトライ。GKも成功して日大が14-7と逆転に成功する。左隅から決めた日大のSO徳永もヴァイレアに劣らない好キッカー。

このまま日大リードのまま前半が終わるかと思われた43分、大東大が日大ゴール前でのラインアウトのチャンスを活かし、モールを押し込んでトライ。GKも成功して14-14で前半が終わる。ラインアウトからのモールは確実に武器になっていると感じさせる安定したモールで、練習の確かさが覗われる。結果論だが、日大にとっては痛すぎる失点だった。



◆後半の戦い

ピッチの内外での暑さとの戦いが続く。しかし、意外と言っては失礼だが、比較的ミスの少ない戦い。日大にノットリリースの反則が多かったのは、大東大の(とくにパワフルな選手に対しての)ダブルタックルがしっかり決まっていたことの裏返しでもある。一方、大東大の反則はスクラムでのコラプシングが多かった。日大の強力スクラムの復活は確かなようだ。

さて、後半。大東大は日大ゴール前でのラインアウトからモールを経てサイド攻撃を繰り返して前進。右側にオープンスペースができたところで、CTBヴァイレアからのロングパスがWTB神田につながりトライ。GK成功で21-14と大東大が逆転に成功する。

日大も食い下がる。24分にSO徳永が正面20mのPGを決めてビハインドを1Tで逆転可能の4点に縮める。しかしながら、28分に大東大はこの日3本目となるラインアウト/モールのトライ。右隅からのヴァイレアのGKは左ポストに当たったが成功し28-17となる。

何とか得点差を縮めたい日大は攻撃の強度を高める。しかしながら、そんなムードに水を差すミスが出る。30分大東大選手がショートキックしたボールをダイレクトで蹴り返すと前にいた味方選手にヒット。転々とするボールを大東大のノア・トファエオノが拾ってそのままインゴールへ持ち込む。GK成功で35-17。不運とも言えるが丁寧に捕獲していれば防げたと思われるトライだった。

試合はそのまま得点表示が動くことなく終了。ピッチ上は相当暑かったはずだが、そんなことは感じさせない位に運動量が豊富で楽しませてくれた選手達を讃えたい。



◆試合後の雑感

酒井監督が就任して2年目の大東大はチームとしての一体感があり、ムードもいい。本当は時折見せたパス回しの巧みさでトライを重ねたいところを、地道にモールで3トライで勝利を呼び込んだ。勝ち星を積み重ねることで着実に上位は見えてくると思う。5本のGKを確実に成功させたヴァイレアのスーパーブーツも武器になるだろう。

敗れたとは言え、日大の個の強さを活かしたタテ突破を基調としたアタックも見応えがあった。ヘラクレス軍団復活は道半ばといった感じだが、大東大をまくり上げたスクラムを見ても、手応えは感じられる。法政戦に続く連敗は残念だが、気持ちを入れ替えて頑張って欲しい。

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