小学生の頃まで、家に土間がありました。
かまどがあって、木を燃やして、ご飯を炊いていました。
炊事場の横、裏口の角に五右衛門風呂がありました。
やはり、木を燃やして、沸かします。
入る時、コツがあって、小さな木のふたを沈めて入ります。
カマが熱いので、最初はカマに触れないように入ります。
うちは水道でしたが、母の実家では井戸からくみ上げてうすめていました。
自分では出来ないので、誰かに頼んで
井戸からくみ上げてもらってました。うすめすぎたら、今度は風呂を熱くするため、
マキをくべてもらわなければなりません。
今、考えると、我が家のガス風呂は、むちゃくちゃ便利です。
自動で、水もマキも調節する必要がないし、わいたら
「お風呂がわきましたぁ!」と教えてくれます。
焚きつけ用の木は、家を建てている大工さんに、工事現場で声をかけて、
余った角材などをもらったり、山に行って、集めてきました。
タバコの味はどんなだろうと思いながら、ワラスボを咥えて、むせったり、
酒の味はどんなだろうとこっそり飲んで、真赤になったり。。
燃料代や水を節約するためか、隣の八百屋さんと、交代交替で風呂を沸かして、入りあいました。
隣近所、カギもかかってないし、出入り自由です。
どこもかしこも子供だらけだったので、家族のようなものでした。
隣に遊びに行くのに、二階の屋根づたいに行ったり。。
夏は庭で、行水もしてました。ホースで水をかけあったり、
お互いに背中をこすりあったり、楽しかったです。
中学一年の時に、家を建て直すことになりました。
工事期間中、例の(だい3話)あやうく、火事になりそうになった民家が
空家になっていたので、そこを仮住まいにすることになりました。
その家には風呂がなかったので、しばらく、銭湯に行きました。
銭湯には、脱衣所に映画のポスターがありました。
ちょうど夏の時期だったので、四谷怪談などの、こわそうなのがありました。
夜、夢の中で、看板のシーンが目に焼き付いていたので、思い出すと大変こわかったです。
結局、新しくなった家には五右衛門風呂はなくなり、ガス風呂となりました。