駅があると、教えられた方角へ、駅を目指して、小雨が降るなか、三人は歩き出した。
途中、タクシーが何台か走って来るも、乗車拒否
しばらく歩いていると、橋の向こうに建物が、明かりの中に見えた。
先輩が、“あれ
駅じゃね
”
と、叫ぶ。
“助かった
”
三人は思った。
早足で近寄って行った。
しかし、三人の希望は音をたてて崩れて行った…
駅だと思った、建物と灯りは、公衆便所だった
しかし、雨宿りはできる。
とりあえず、用を足そうとトイレの中に…
小便器の前に立つと、便器の中に、予想だにしないモノが
“ギャー
”
思わず叫んでしまった
その正体は…
とてつもなくデカイガマガエル
こんなにデカイのは初めて見た
生き物は、たいてい大丈夫な自分だが、あれにはビビった
ガマガエルは、不味いラーメンを食い、道に迷い、雨に濡れた自分を嘲笑うかのように、便器の中からこちらを見ていた…
仕方なく、大便器の方で用を足した。
先輩は、“こんなの、うちの庭あるってるよ”
と、カエルに平然と小便の雨を降らせていた。
天晴れ
もう、濡れながら歩くのが嫌だったので、ホテルにいる後輩にTELして、場所を説明して、タクシーを呼んでもらった。
三十分くらいかかると言われたが、案外早く来た。
ほっとしたのもつかの間、そこには、信じられない光景が
なんと
やって来たタクシーは、さっきの運転手ではないか
三人で、“さっきのじーさんじゃねーかよ
”
と、叫んでしまった…
込み上げてくる怒りを押さえて乗車…
何とかホテルへ到着…
踏んだり蹴ったり、降られたり、ガマれたり……
こうして、三人の福島の夜は更けて行き、この事件は、福島ラーメン伝説として語り継がれていく事になった…
この物語を、ユキヨシに捧ぐ…