MilanoからLondon、東京に移り住みましたが、変わらず日常生活を書き記そうかと。。
ミラノ通信 - 我が為すことは、我のみぞ知る



前節のメキシコ戦で敷いた3-6-1の布陣を4-4-2のクラシックなスタイルに戻し、ヨーロッパチャンピオンのギリシャと日本は与した。

そもそも4バックは日本のシステムには余り合っていないことは選手の間でも自明で、そのシステムに拘るのはジーコだ。実際、宮本などは3バックに戻すことを直訴した。今迄のシステム毎の勝率から言っても3バックの方が4バックよりも優位なのは揺ぎ無い。にも関わらず、ギリシャが5バックだと言う読みに基き日本は中盤で人を余らせるよりも、安定的に守備することを求めたのか、4バックに戻した。試合途中でギリシャは5バックから4バックに戻した。どちらかのサイドが上がり目になることが多かったために、スタンドから観ていた限りでは3バックに観える事もしばしばあった。

日本の攻めだが、明らかに前半は前回のメキシコ戦の反省を活かしてか、中田が控えめにしていた。前半は小笠原がそれ程利いていたとは言えず(実際後半に交代させられた)俊輔にボールが集まることが多かった。柳沢、玉田へのボールの集積が比較的早く、ワンタッチのボールの展開に明らかにギリシャは付いて行っていない。しかし、柳沢は左サイドからのフリーのボールをバーを遥かに超すようなシュートを吹かしたり、ラインの裏に出たボールに詰め寄る玉田は信じられないことに、相手ゴールキーパーにボールを譲ったりと有り得ない程消極的な姿勢でいたり、フリーのシュートを外したりと、FWのシュートは多かったものの、Shots on goalが少なかった。玉田はスパイクが合っていなかったのか、滑るシーンが度々観られた。これは明らかに試合前の練習の時に確認をしなかったミスである。柳沢は兎も角、不甲斐ない玉田は後半に大黒と交代させられた。正直な話、ワールドカップ予選と今回2試合で、鈴木、玉田は最早機能していないのではないか、と思われる。

一方MFであるが、メキシコ戦で亀裂とマスコミが騒いでいたが、後半になるに従って俊輔と中田がボールを交換するシーンがとても増えたし、実際それはとても効果的だった。前半から全くワンタッチに付いていけないギリシャは、後半益々へばってきた。後半31分に俊輔から出たボールを後ろからチャージされていたにもかかわらず落ち着いてゴール左隅に決めた。大黒はこれだけではなく、試合中にヒデと頻繁に話しをしてポジションの確認などをしており、とても効果的だった。大黒は時に左サイドに張り、俊輔やヒデからの効果的なボールを緩急をつけたドリブルで中や前に切り込んでいき、シュートまで持って行くなどしていた。大黒の成長は目覚しいものがある。


DFだが、サントスは最早観ていられない。。左サイドはバイタルエリアに入る前にセンタリングをあげられる事が3-4回あったが、サントスの相手に対する距離感が信じられないくらい悪いためだ。そして、これまた代表レベルとはとても思えないのであるが、相手のセンタリングがあがった瞬間に体をよじらせて逃げていた。。。。。。

逃げるか?普通…

もう、ピッチ上の〝通訳〟は要らないだろう。スローインのボールを取りに行く際に遅延行為を取られイエローカードをもらっていたが、ホントにもう要らない。

田中は後半にバックパスミスなどをしていたが、基本的には宮本との距離感も良かったし、加地との連携も良かった。この試合の加地はメキシコ戦に引き続きとても良かった。ピッチが良かったせいなのかも知れないが、加地のキレは観ていて小気味良かった。

川口であるが、苦手としているハイボールに何度か対応し、コーナーに逃げたりするなど対応は良かった。


メキシコと違い、地理的に近いこともあって、ギリシャのサポーターばかりが目立つスタジアムだったために、日本代表にしてみれば完全にアウェー状態だったが、大黒の落ち着いたゴールによりギリシャには勝った。試合終了後にヒデも答えていたが、とてもヨーロッパチャンピオンとは思えない出来だった。これで勝ったからと言って問題点が何も浮き彫りにされなかったのではなく、寧ろホントにサントスなど使い続けて良いのか?などここから先上位に行くためにするべきことが見えたのではないだろうか。

ただ、4バック、3バックを臨機応変に使い分けられるようになってきたのはこのチームの成長だと思う。ただし、これがジーコの発案により色々と戦術が変わったのなら良いのであるが、3バックは選手からの提案である。実際ワールドカップ予選はこれで勝ったから良かったものの、余り監督としては哲学を選手に伝えているとは思えないジーコがやはり自分のやり方に拘り4バックに戻した。そして勝ってしまったが故にまたこのシステムに拘るのであればそれはそれで問題である。。

次のブラジル戦、メキシコに敗れてしまったブラジルはロナウジーニョ、カカなどを温存するとパレイラは言っていたが、ジーコはきっちり〝母国〟に対してしっぺ返しを食らわしてやって欲しい。


コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )



« 『第617回 サ... 『第619回 サ... »
 
コメント
 
 
 
待っていましたよ。 (ヤマグ)
2005-06-22 17:18:23
家で見られないので、どんな感じかわからなかったのですが、これでよくわかりました。

―――

DFに関しては、サントスを抜かしてまあまあということですね。というよりも、ギリシャの攻めに関しては有効だったということですね。MFは小笠原が機能していなかったと。ブラジル戦でも良く見ておく必要がありますね。で、FWはやはり大黒の積極性に尽きると。これは見ていてそう思いますね。大黒が入ると全体的に積極性が出てくる感じがしますよね。





で、加地なんですよね。今回は非常に良かったように見られていますが、実際に見て何か問題とかありそうですか?今までの加地と何が違うのだろうかと。



中田―中村に関して。日本のメディアは後輩が先輩に物申すとすぐに批判とかはやしたてますからね。中田が言っても批判にならないのに。まあ、中田―中村のコンビが良くなることは結構重要ですから。いろいろと話し合ってほしいものです。
 
 
 
今日も何故か玉田・・・ (KEN@Cologne)
2005-06-22 22:55:58
何故でしょうかね。。。

何故玉田…

良かったとはとても思えない。。。。



このあたりが意味不明…



コンフェデ2敗なら更迭でも良いのに。。。
 
 
 
コンディション (aki)
2005-06-23 01:18:48
明らかに悪かったと思うんですよ、ギリシャ。

確かにこないだのギリシャは「欧州王者ギリシャ」ではなかった。

だけど、それがイコール「ギリシャの欧州王者はマグレ」ではないし、ましてや「日本は欧州王者を上まわった」というのは論外。



最近日本における代表報道と世間の流されっぷりに、益々クエスチョンマークを感じてしまいます。



サントスに関しては、諦めます。外す気ないんだろうし。加地は、確かにコンフェデ2戦は良かったと思うけど、やはりあのクロスのレベルではきついと思います。時折良いクロスが上がるのは事実だけど、コンスタントにはできないし、そもそも抜くのか上げるのか、打つのかの判断基準が悪すぎる。代表レベルではないと思います。



今日も希望は大黒かな・・・
 
 
 
ですねぇ。。。 (KEN@London)
2005-06-24 05:45:01
サントスはホント、駄目駄目でした。

ドイツの地元紙の評価も1が最高で5が最低の評価機軸で4.5でした。これはもうサヨナラを意味しています…(苦笑)



加地は微妙ですねぇ。。。何故か加地もドイツの地元紙の評価は低かったのですが、僕としてはこの3試合でとても良かったと思っています。ただ、ご指摘の通り、判断が遅いのは事実。しかし、そう言う課題が見えた以上、そこを磨き上げれば化けるのではないかと期待値混みで観て行きたいと思います。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。