
またまた遅くなってしまいました2010年マヴィックホイールレビュー(MTB)。
前回は、クロスライドディスクを紹介しましたが、第2段はクロストレイルディスク(Crosstrail Disc)。クロスライド~と同じく「クロスマウンテン」にカテゴライズされるホイールで、登りも下りもOKな方向性を持たされていると思われます。ランク的にはクロスライド~の上に設定され、仕様も見た目もなかなかにゴージャスです。
最も目を引くのは、リムのスポーク穴と穴の間を削っているISMという技術です。Inter Spoke Millingというこの特許技術は、リムの一部表面を削ることでわずかですがその分を軽量化することができます。リムは回転物の外周部にあたる構成部品なので、慣性の点からの変化量はかなりのものと予想されます。黒いリムで、ISM加工部のみ意図的にシルバーにしているのも心憎い演出です。
またこのリムはマヴィックお家芸の合金アルミ「マクスタル」を採用しています。メーカー公表値では、同重量の6106アルミと比べた場合、強度が30%アップ。強度を同じに揃えた場合は普通のアルミリムに比べて軽くできる、ということです。
他、クロスライド~同様に、ストレートプルスポークを使っています(形状はブレードエアロ)。ストレート形状に起因する特徴あるハブデザインは、やはり個人的には好きです。あれもこれも、クロストレイルディスク、見るからにすごそうです。
それとぼく自身、トレールでの実体験は初めてでした、UST(Universal Standard for Tubeless)チューブレスリム。読んで字の如く、クルマのようにタイアチューブが必要ありません。「軽い」「リム打ちパンクゼロ」「低圧使用による高グリップ」などが期待できます。ただ、MTBのチューブレスはちょっとクセや制約があるので、実戦での使用はある程度の事前演習が必要、と言われています。
他にも注目点は多いですが、そろそろこの日の実際の乗り心地に移ります。タイアの銘柄が違う、チューブレスである、以外は条件はほぼ同じです。
マシンは自分のアイアンホース・マーベリック5.0を使用。これに装着して確認しています。タイアはその時にホイールに填っていた物をそのまま。
比較対象は、アイアンホース・マーベリック5.0に元から付いているホイールと、マヴィック・クロスライドディスクを追加しています。
走行データは、
・路面状況:ほぼドライ
・シチュエーション:アップダウンありの一般的なシングルトラック
・装着タイア:パナレーサー FIRE XC PRO 2.1 TUBELESS
・6インチディスクローター使用
・エア圧:未計測
登り下りとこなして初めに感じたのが、秀逸なバランス感。適度なコシがありながらきれいにたわむやさしさがあり、ロングライドに良さそうな印象。下りのコーナリングではホイール全体の反り返りが気持ち良く、タイアのパターン&エア圧もあると思いますが、グリップ感などもとてもいい感じです。クロスライドディスク同様のブレードエアロ形状のスポークを採用する為、やはり独特のソリッド感がありますが、素材やリム幅、作りに大幅な違いがあるので、それを意識することはありません。
ISMは削る方向にもよりますが、例えば縦剛性を少し落とすことで路面へのグリップ力を上げる、などのコントロールが可能ということなので、そういった方向付けもなされているのかもしれません。
このISMやマクスタル投入による軽さにも興味がありましたが、こちらは特別に軽快感があるということはありませんでした。ただ、ネガな部分を感じることもなかったです。多分、かなり贅沢なレベルで見極めようと必死だったのだと思います。ホイールだけ手で持った感じは、当然軽く感じました(1,810g/ペア。クロスライドディスクは1,905g)。
クロストレイルディスクは、さすがにグッとお値段は上がってペアで6万3,000円(税込)となります。マヴィクテクノロジーをより味わうには、このぐらいの投資はやはり必要になるのでしょう。見た目的にもさらに差別化が図れますし、実際の性能も非常に満足がいくもので、また方向性が登り下りどちらかに極端に偏っていることもないので、オールラウンダーという観点からすれば適価と思います。
クロストレイルの普通のリムブレーキが使えるUBモデルは、09年までのようです(税込5万7,750円)。ハブ構造やスポーク数に違いがあるので同じ乗り味ではないでしょうが、向かっている方向は一緒のはずです。
クロストレイルは、これひとつで何でもやりたいというユーザーにはとてもピッタリだし、長く使えて元が取れる製品だと思います。

リム幅:23mm リムハイト:21.2mm(ともに外寸) 対応ディスクローター:センターロック&インターナショナル(6ボルト 付属のアダプタで対応 1個/20g) リム:マクスタル SUP(*1) スポーク:ステンレス ホール数:24 バルブホール:6.5mm スポーク形状:ストレートプル エアロダイナミック スポーク組:2クロス ハブボディ:アルミ アクスル:スチール ベアリング:QRM(マビックオリジナルシールドカートリッジ) USTチューブレス対応 クロスマックスファミリー
*1:Soudé Usiné Processの略。リムのジョイント部分をピンを使わずに溶接で繋げ、綺麗に削り仕上げをする技術。溶接部の強度が最大で90%向上し、ピンジョイントのリムと比較すると60%向上するという。ジョイントピンを使わないので、バランスの取れたホイールを組み立て易くなる。
やかん
前回は、クロスライドディスクを紹介しましたが、第2段はクロストレイルディスク(Crosstrail Disc)。クロスライド~と同じく「クロスマウンテン」にカテゴライズされるホイールで、登りも下りもOKな方向性を持たされていると思われます。ランク的にはクロスライド~の上に設定され、仕様も見た目もなかなかにゴージャスです。
最も目を引くのは、リムのスポーク穴と穴の間を削っているISMという技術です。Inter Spoke Millingというこの特許技術は、リムの一部表面を削ることでわずかですがその分を軽量化することができます。リムは回転物の外周部にあたる構成部品なので、慣性の点からの変化量はかなりのものと予想されます。黒いリムで、ISM加工部のみ意図的にシルバーにしているのも心憎い演出です。
またこのリムはマヴィックお家芸の合金アルミ「マクスタル」を採用しています。メーカー公表値では、同重量の6106アルミと比べた場合、強度が30%アップ。強度を同じに揃えた場合は普通のアルミリムに比べて軽くできる、ということです。
他、クロスライド~同様に、ストレートプルスポークを使っています(形状はブレードエアロ)。ストレート形状に起因する特徴あるハブデザインは、やはり個人的には好きです。あれもこれも、クロストレイルディスク、見るからにすごそうです。
それとぼく自身、トレールでの実体験は初めてでした、UST(Universal Standard for Tubeless)チューブレスリム。読んで字の如く、クルマのようにタイアチューブが必要ありません。「軽い」「リム打ちパンクゼロ」「低圧使用による高グリップ」などが期待できます。ただ、MTBのチューブレスはちょっとクセや制約があるので、実戦での使用はある程度の事前演習が必要、と言われています。
他にも注目点は多いですが、そろそろこの日の実際の乗り心地に移ります。タイアの銘柄が違う、チューブレスである、以外は条件はほぼ同じです。
マシンは自分のアイアンホース・マーベリック5.0を使用。これに装着して確認しています。タイアはその時にホイールに填っていた物をそのまま。
比較対象は、アイアンホース・マーベリック5.0に元から付いているホイールと、マヴィック・クロスライドディスクを追加しています。
走行データは、
・路面状況:ほぼドライ
・シチュエーション:アップダウンありの一般的なシングルトラック
・装着タイア:パナレーサー FIRE XC PRO 2.1 TUBELESS
・6インチディスクローター使用
・エア圧:未計測
登り下りとこなして初めに感じたのが、秀逸なバランス感。適度なコシがありながらきれいにたわむやさしさがあり、ロングライドに良さそうな印象。下りのコーナリングではホイール全体の反り返りが気持ち良く、タイアのパターン&エア圧もあると思いますが、グリップ感などもとてもいい感じです。クロスライドディスク同様のブレードエアロ形状のスポークを採用する為、やはり独特のソリッド感がありますが、素材やリム幅、作りに大幅な違いがあるので、それを意識することはありません。
ISMは削る方向にもよりますが、例えば縦剛性を少し落とすことで路面へのグリップ力を上げる、などのコントロールが可能ということなので、そういった方向付けもなされているのかもしれません。
このISMやマクスタル投入による軽さにも興味がありましたが、こちらは特別に軽快感があるということはありませんでした。ただ、ネガな部分を感じることもなかったです。多分、かなり贅沢なレベルで見極めようと必死だったのだと思います。ホイールだけ手で持った感じは、当然軽く感じました(1,810g/ペア。クロスライドディスクは1,905g)。
クロストレイルディスクは、さすがにグッとお値段は上がってペアで6万3,000円(税込)となります。マヴィクテクノロジーをより味わうには、このぐらいの投資はやはり必要になるのでしょう。見た目的にもさらに差別化が図れますし、実際の性能も非常に満足がいくもので、また方向性が登り下りどちらかに極端に偏っていることもないので、オールラウンダーという観点からすれば適価と思います。
クロストレイルの普通のリムブレーキが使えるUBモデルは、09年までのようです(税込5万7,750円)。ハブ構造やスポーク数に違いがあるので同じ乗り味ではないでしょうが、向かっている方向は一緒のはずです。
クロストレイルは、これひとつで何でもやりたいというユーザーにはとてもピッタリだし、長く使えて元が取れる製品だと思います。

リム幅:23mm リムハイト:21.2mm(ともに外寸) 対応ディスクローター:センターロック&インターナショナル(6ボルト 付属のアダプタで対応 1個/20g) リム:マクスタル SUP(*1) スポーク:ステンレス ホール数:24 バルブホール:6.5mm スポーク形状:ストレートプル エアロダイナミック スポーク組:2クロス ハブボディ:アルミ アクスル:スチール ベアリング:QRM(マビックオリジナルシールドカートリッジ) USTチューブレス対応 クロスマックスファミリー
*1:Soudé Usiné Processの略。リムのジョイント部分をピンを使わずに溶接で繋げ、綺麗に削り仕上げをする技術。溶接部の強度が最大で90%向上し、ピンジョイントのリムと比較すると60%向上するという。ジョイントピンを使わないので、バランスの取れたホイールを組み立て易くなる。
やかん