あんた、まるいもの好きだね~♪

「まるいもの」について、適当に書いています。まるいものとは、自転車、モーターサイクル、クルマ、カメラ、CD/LPとか。

■実相寺昭雄展 ウルトラマンからオペラ「魔笛」まで

2011-09-07 17:02:26 | Weblog
 先日のお休みに、台風の中というのに表題の企画展に足を運んできました。

 実相寺昭雄(じっそうじあきお)氏は奇才とも言われた人物で、特撮テレビ番組「ウルトラマン」シリーズの監督から、「あさき夢みし」「帝都物語」などの映画作品の監督も務めたそうです。
1937年(昭和12)に生まれ2006年(平成18)に69年の生涯を閉じられたということですが、生前、川崎市の百合ヶ丘に永く在住していた縁もあり、没後3年目の春に、作品や台本、スケッチ、写真といった貴重な品々が川崎市に寄贈されました。

 今回、この寄贈資料をはじめとした彼の映画・映像作品に関連する資料と映像、自身が演出を務めたオペラ「魔笛」などの音楽・舞台資料、さらに多くの愛用品や書画を展示し、氏の世界を多面的に紹介するという趣旨のもので、芸術作品には少なからず興味がありましたので見に行った次第です。

 氏は、その作風や個性を以てして「エキセントリック」とも称され、日本の映像表現に独自の世界を切り開いたそうなのですが、確かに展示作品の中でウルトラマンの映像上映があったのですが、独特の解釈や演出が目を惹きました。「故郷は地球」「ジャミラ登場の回」など、傑作と呼ばれた話を監督したそうなのですが、一元的に正義対悪で語れない作風やオリジナリティは、確かに奇才と言っていいものだと思います。

 また、特に展示物の中で個人的に光輝いて見えたのが、氏が多く書かれた書画です。写真にあるものは、そのうちの一部がノベルティ化されたもので、あまりの傑作っぷりにかなり大人買いしてしまいました。
 1枚の小さなスケッチブックに(A4にも満たない小サイズ)、おなじみのウルトラマンキャラクターらと共にたいへん気の利いた風刺とも言える文句が縦横無尽に書かれ、その「上手い!」と喝采してしまう絵とその上に大胆に踊る文言は最高のものでした。
 正直、監督などやらなくともこれで食べていけるのでは? と思ってしまうほどの傑出っぷりです。

 写真の作品に書かれてる文言の一部を紹介しますと、右上から「ピアノ線がビートルを活躍させる…」「昭和は電車の時代だった…」「許せまい、とジャミラの怒り爆発」「宇宙人には、座布団を進めるべきか」「科学隊本部の郵便番号は、誰も知らない…」などです。
 どうですか? とても気が利いているでしょう?
 万年筆で描かれた自画像なども残されているのですが、これもまた実に特徴を捉えている。たいへん芸術的センスに優れながら、また客観性という面でも一流であったのだな、と思わされます。

 生憎、企画展は終わっていますが、とにかくとても有意義な展示であったと感動しています。

 やはり世の中に「天才」というものはいるのですね。

やかん

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ■乗鞍までの道程、頑張ってく... | トップ | ■Morewood Factory Tour »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事