ビン洗い

くもり空　陽が哭くとも 鳥達は歌い
赤塊のビン洗い 風に吹かれて踊り
カエルの鳴き声　夏を呼ぶ

あーー　日は又過ぎる

家主に花の名を聞く　金宝樹　
今まで花などなんの興味もなかった　

名前も知らない花を　美しいとか綺麗と感じるのは
年齢のせいだろうか？

晴れた朝

昨日の厚い雲は風が運ぶ
あんたゆっくりやで　わかってるやいやい言うな
言葉は荒いが　仲睦まじく
幸せそうな老夫婦の年輪を見る

色々なことがあっただろう

花と老婆

通路の隅でひっそりと咲く花に
綺麗と　つぶやく老婆

お婆さんには負けますよ私らはあと数日
貴女様はいつまでも元気で

家の花が一番と競いあう近所のばら　どの花見ても綺麗ですよ
バラの木に　薔薇の花咲く　なんの不思議はなけれども　（武者小路実篤）　

水田の山

梅が咲いた　桜が散った

目に青葉　山ホトトギス　などと言っている間に

早苗植え渡すである　間も無くホタルが飛ぶ

一日は長く一年は短いなどと言っていたが

最近は一日も短い

縁切り

紀の川の　流れを追うて　鷺一羽
釜八幡　恨みの釜を何本刺されたことだろう

町石道を歩いたときに

木漏れ日に　汗ひとしずく　遍路道
懺悔懺悔と　鳥と話も

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